地域や流派を超え、多彩な書が一堂に会する「第14回下伊那の書展」(南信州新聞社・同実行委員会主催)が27日、飯田市小伝馬町の県飯田創造館で開幕した。同館301号室と201号室、ふれあい創造ギャラリーに232点の額装、軸装作品を展示している。市教育委員会と下伊那教育会、県高等学校書道教育研究会南信支部が後援。31日まで、入場無料。
書の表現と鑑賞を通じて書の文化、芸術を支え発展させるとともに、愛好者のすそ野を拡大することを目的に開催。出品資格を限定せず一人1点、選考は一切行っていない。
今回も飯田下伊那地域を中心に県内をはじめ北海道、関東、関西、北陸、東海地方など全国各地から出品があり、昨年を30点上回る232点が展示された。
年齢層も10―90代と幅広く、若年層からの出品が増えている。愛好者から指導者、プロの書家まで、経験や流派、社中などにとらわれない多彩な書がそろった。
会場には、漢字やかな、篆刻、刻字などの力作が並ぶ。なかには字を陶に刻んだり、紙に染め抜いた作品も。古典や近現代詩、歌や小説の一節、一文字書のほか、自作の俳句や詩などを題材にしている。
縦横無尽に筆を走らせた淡墨の書や、硬質な線で画面を埋め尽くしたもの。書とともに絵を描いたり、装飾が施された料紙を使用したりと、特徴的な作品も目立つ。プロもアマチュアも関係なく五十音順で展示しており、ことしは「は行」から始まっている。
初日の27日は、開場から愛好者や出品者が続々と訪れて鑑賞。「堂々と書いていて上手」「表装もおしゃれ」などと語り合いながら一点一点を眺めたり、作品の前で指導者からアドバイスを受けていた。
初めて鑑賞に訪れたという市内の男性は「知り合いが出品しているので見に来た。自分では書はやらなくてよく分からないが、いろんな書き方のものがたくさん並んでいる」と話していた。
開場は午前9時から午後5時(最終日は同3時)まで。展示作品は後日、南信州新聞紙上で順次紹介する。