「藤本四八写真文化賞」 東京で授賞式と展覧会

文化・芸能

[ 2010年 5月 22日 土曜日 13時07分 ]

 飯田市が開いた「第7回飯田市藤本四八写真文化賞」の授賞式が20日、東京・有楽町のラ・ステラ(ニュートーキョースキヤバシ本店)で開かれた。小中高生の部を除く3人の受賞者をはじめ、審査員や関係者ら約50人が出席。受賞作品を飾る東京展覧会も同日、授賞式会場近くのキヤノンギャラリー銀座で始まった。

 同市松尾出身の写真家、藤本四八さん(故人)の功績の顕彰と写真文化の発展を目的に隔年で開き、7回目。「推薦の部・写真文化賞」には写真家の井上博道さん(78)、一般から「公募の部・写真賞」にはさいたま市の岡田勤さん(45)の組写真「Nature―mind―命の瞬き―」、「公募の部・市民奨励賞」には喬木村の筒井政美さん(64)の組写真「いやんばいで」が選ばれた。

 小中高生を対象にした「公募の部・奨励賞」は、すでに表彰式を終えている。

 主催者を代表して飯田市の伊澤宏爾教育長は「7回を重ね課題が見えてきた。これからの方向性へもメスを入れていきたい。日本の写真・芸術文化のレベルが上がるよう、飯田から情報発信し、全国から関心を持ってもらえるよう頑張っていきたい」とあいさつ。受賞を祝うとともに、多方面の協力に感謝した。

 各選考委員の講評では、田沼武能さんが井上さんについて「四八賞には非常にふさわしい人。もっと早くに与えるべきだった。心の和む作品が並んでいるが、いい人に決まったと思っている」とたたえ、福島義雄さんは岡田さんについて「昆虫写真という初めての分野で賞をあげるのにふさわしい人。作品にはストーリー性があり、美しさと自然の厳しさもある世界」、筒井さんを「そこに住んでいなければ撮れない写真。一枚一枚、被写体との距離感がひじょうにいい状態で写っている」とそれぞれ評価した。

 藤本四八賞を受けた井上さん(奈良市在住)は、昭和40年代に藤本さんの写真集『装飾古墳』に出会ったときの衝撃などを語りながら、自らの写真を引き合いに「仏像という言葉が嫌い。文化として残されている仏さまは、物ではない。そのことを伝えられたら“カメラ冥利(みょうり)”に尽きる」とあいさつ。「田舎で写真を撮っていても、こういうふうに地方に目を向けてくれたことがうれしかった」と感謝の意も表わした。

 岡田さんは、周囲の自然環境が悪化している現状への懸念を表し、「独り善がりにならずに伝えられる写真を撮り続けたい」と抱負。市民奨励賞を受けた筒井さんは「場面が呼んでくれたと思っている。被写体に感謝しながら撮らせてもらった。今後も、残していかなければならないものがたくさんあると思うので、さらに撮り続けたい」と語った。

 授賞式終了後には同所で記念パーティーが開かれ、受賞者や写真関係者らが親ぼくを深めた。

  

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