りんご庁舎で松崎行代さんが講演会

文化・芸能

[ 2019年 8月 2日 金曜日 15時33分 ]

 京都女子大学発達教育学部児童学科教授の松崎行代さんの講演会「人形劇フェスタ40年継続の背景と人形劇のまちづくり」は1日、飯田市本町のりんご庁舎で開かれた。約50人が参加。市内20地区で行われている地区公演を中心に、公民館活動を活用したフェスタの運営の仕組みや、人形劇のまちづくりの課題などを聞いた。

 松崎さんは松本市出身。1991~2013年度に飯田女子短期大学幼児教育学科で教員を務め、フェスタ前身の人形劇カーニバル飯田時代から運営に携わった。14年度に京都女子大に移った後も学生と毎年フェスタを訪れ、上演・観劇している。NPO法人いいだ人形劇センター理事。

 子どもや教育と人形劇との関わり、市民文化活動によるまちづくりを研究テーマとし、毎年約2500人の市民ボランティアによって運営されているフェスタの実態について、地域社会の視点から捉えようとしている。

 講演では、日本最大の人形劇の祭典であるフェスタの歴史や特異性、行政の取り組み、市民の運営・観劇参加の実態、フェスタによるまちづくりの課題などを取り上げた。

 松崎さんは、1979年に行政主導で始まった人形劇カーニバル飯田が99年に市民中心のフェスタとして生まれ変わり、多くの市民参加を実現させた理由として、公民館システムの活用に触れた。

 市公民館と地区ごとの公民館、地区内各集落の分館がネットワークを形成することで、行政の施策が住民に伝わりやすくなるほか、住民への社会教育的指導の役割を持つ主事が地区公民館に配置されていることにより、地域活動の活発化につながっているとした。

 「地区・集落に残る伝統的地域社会の結束力により、地域のためという意識や、他の地域に対する対抗意識が生まれ、多くの市民参加を実現している」と語った。

 各地区の公民館・分館で行われる地区公演の実行委員を務める住民については「地域の子どもや親子が喜ぶことで満足を感じている。フェスタというより、地域のお祭りという意識が強いのでは」と指摘する。

 市公民館が地区公演を統括して関わっていることで、集落レベルまでの住民参加を可能にし、各地区の活動を一つの市民文化活動として統合させていることを挙げた。

 「フェスタにおいて市民参加を支えてきたのは、地区公演にみられるように集落の一員という存在を通して地域活動に参加する住民。集落を基盤とした住民のまちづくりへの参加が成功している」とした。

 一方で、高齢者や一人親家族、若い世代の核家族など、相互支援を必要とする人々の地域社会とのつながりを生む場や、女性の地域活動への参加の場としてのフェスタのあり方などを、人形劇のまちづくりの課題として挙げた。

 講演後には、参加者との意見交換が行われた。

◎写真説明:講演する松崎さん

  

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