時代を駆け抜けた暗闇のスーパースター「活動弁士」を描いた映画『カツベン』の公開を記念する「坂本頼光活弁ライブ」(主催・千劇シネマズ、伊賀良寄席)は17日、飯田市中央通りのセンゲキシネマズで開かれた。ライブに先立って坂本さんが舞台あいさつを行い、撮影の裏側や映画への思いを語った。
坂本さんは、現在日本に十数人しかいないという活動写真弁士(通称・活弁)。自身の活弁ライブをはじめ、海外の上映会などに参加するほか、声優、CMナレーターなど声を使った幅広いステージで活躍する。同映画では主演俳優の成田凌さんや永瀬正敏さんらの活弁指導を担当した。
指導した主人公役の成田さんについて、坂本さんは「とても努力家で熱心に指導に耳を傾けてくれた」と話し、「100人のオーディションの中から選ばれた人だが、彼で本当によかった」と賞賛した。
活弁シーンの撮影では、演技の良し悪しの判断を一任されたといい、「ありがたいことだが、責任重大で胃が重かった」と吐露。指導する坂本さんと受ける成田さん双方がナーバスになり「撮影に入ってからはあまり言葉を交わさなくなった」と明かした
その後のライブでは、無声映画『血煙高田馬場』を上映。坂本さんが実際に弁士を務め、活弁を披露した。
『カツベン』はサイレント映画が主流だった大正時代を舞台に、活動弁士を目指す青年・染谷俊太郎の恋や奮闘を描く。監督はShallweダンス?』や『それでもボクはやってない』などの周防正行さん。
◎写真説明:指導を行った弁士の坂本さんが舞台あいさつ