上村、南信濃で遠山の霜月祭り開幕

文化・芸能

[ 2015年 12月 3日 木曜日 9時48分 ]

 飯田市上村、南信濃に伝わる国重要無形民俗文化財の「遠山の霜月祭り」が1日、南信濃中立の正一位稲荷神社を皮切りに幕を開けた。氏子と観光客らが湯釜を囲み、夜遅くまで生命の再生を祈る湯立て神楽を興じた。ことしは15日まで9社で繰り広げる。

 八百万(やおよろず)の神々を招くための神事を行った後、日中から2つの釜を囲んで湯立ての行事を延々と続けた。男性たちが装束舞を舞ったり、「ヨーセ」の掛け声で飛び跳ねたり、湯を鎮める唄をうたって着々と準備を整えた。

 湯が煮えたぎった午後9時55分ごろ、太鼓の響きに合わせて「火の王」と呼ばれる大天狗が登場した。釜に素手を入れ、邪気を払うように熱湯を切って散らすと、詰め掛けた氏子衆や見物客が歓声を上げた。

 続いて多様な面(おもて)をつけた神々が姿を現し、笛や太鼓の囃子に合わせて舞った。

 遠山郷と交流を続けている同市立浜井場小学校の5年生32人も、夏から練習してきた笛で盛り上げた。女子児童の一人(11)は「普通のお祭りと比べて盛り上がりがすごい。遠山の人たちは明るくて、すごく楽しい」と話した。

 鎌倉時代に伝えられた宮廷の湯立て神楽に、遠山郷を支配した領主、遠山土佐守一族の霊を慰める鎮魂の儀式が後に加わり、独自の形式で伝承されている。「霜月」は陰暦に由来しており、最も日照時間が短くなるこの時期に祈ることで、「万物に再び生命力がよみがえる」と信じられている。

 火の王を務めた神職「禰宜(ねぎ)」の瀧浪政司さんは「小さな集落に大勢の方に集まっていただき、盛り上げていただけた。神主としても大変に光栄。良い大祭ができた」と話していた。

  

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