2019年県民芸術祭参加「第37回伊那人形芝居公演」(伊那人形芝居保存協議会主催)が17日、飯田市上郷黒田の黒田人形浄瑠璃伝承館で開かれた。伊那谷に残る人形芝居4座と2校の中学生が出演。多くの人が来場し、地域で受け継がれてきた伝統の舞台を楽しんだ。
伊那谷で人形芝居の保存・伝承に努める今田(飯田市龍江)、黒田(同市上郷黒田)、早稲田(阿南町)、古田(上伊那郡箕輪町)の4座と、各座の伝承に励む阿南第一中早稲田人形部、竜峡中今田人形座が出演。公演を通じて活動の成果を発表するとともに、親睦を深める機会としている。
開会式であいさつした同協議会の高田正男会長(86)は「4座のほか、学校のクラブ活動として子どもたちも取り組み、地域の伝統芸能を継承しないといけないという思いで頑張っている。今日は練習の成果を発揮してもらえたら」と語った。
午前の部では、早稲田人形芝居保存会が毎年8月の早稲田神社の祭典で奉納する「三番叟」を上演。各公演が滞りなく行われることを祈念して舞を披露し、舞台を清めた。
続いて各団体が一演目ずつ公演。お家騒動による悲劇や悲恋物など、歴史上の出来事を題材にした物語が多く、それぞれが稽古を積んでつくり上げた舞台を発表すると、会場から盛んに拍手が送られていた。
◎写真説明:伊那谷4座による人形芝居公演