仏像・龍江大平薬師如来立像を市文化財指定

文化・芸能

[ 2019年 4月 13日 土曜日 15時55分 ]

 飯田市教育委員会は12日に開いた定例会で、市文化財審議委員会から指定答申を受けていた、飯田下伊那地域最古級の仏像「龍江大平薬師如来立像(たつえおおだいらやくしにょらいりゅうぞう)」を市有形文化財に指定した。制作に当たって過度な手を加えず、神木に宿った仏を表現した「霊木化現仏(れいぼくけげんぶつ)」とされている。

 龍江の大平薬師堂に安置されており、高さ61・5センチ。1本のヒノキから彫出した一木造りで、現在は両袖口に小材がはぎ付けられているが、当初は袖口を含む位置までを同じ材で彫成していた可能性があるという。

 年代を示す銘文はなく、目を顔面に彫り込み彩色を施さない素木の像である点から、平安時代10世紀ごろの作とみられる。体部中央の湾曲した大きな干割れや、像全体の右方へのゆがみから、仏像の用材に適さないゆがんだ原木が使用されたと考えられている。

 頭部の前方から後方に向かってグラデーションのように表されている螺髪(らほつ)や、粗彫り風の耳、簡略化された衣服のひだなど、各所の表現に素材となった原木そのものの面影を残そうとする配慮がなされている点から、霊性を備えた神木を用材とした霊木化現仏と推定。

 大平薬師如来と同じ霊木化現仏の類例として、飯伊では飯田市立石の立石寺が所蔵する十一面観音立像(県宝)と伝広目天立像(同)、県内では青木村大法寺の十一面観音立像(国重要文化財)と伝普賢菩薩立像(同)、長野市清水寺の天部形立像があり、市教委では「県内でも数少なく貴重」としている。

 今回の指定により市有形文化財は53件になった。

◎写真説明:市有形文化財に指定された龍江大平薬師如来立像

  

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