伊那谷の若手・ベテランが「飯伊50人展」

文化・芸能

[ 2014年 11月 24日 月曜日 12時26分 ]

 伊那谷の作家による「第3回アートウェーブ飯伊50人展」(同展実行委員会主催)が12月2日まで、飯田市小伝馬町の県飯田創造館で開かれている。ことしは2部に分けて開催。若手からベテランまで、さまざまな分野の作品を並べている。

 地域美術の停滞を打破して今後の方向性を模索し、創造的精神の発露につなげることを狙いとして、2012年から開催。キャリアや団体などの立場に関わらず、個人の自由な創造性を発揮した作品を並べる。今回は飯伊をはじめ中川村や伊那市、駒ケ根市などの20―80代まで、53人が参加している。

 第1部は「リフレクション 新旧の対峙(たいじ)」とし、若手とベテラン9人がそれぞれの仕事をリフレクション(反射)し合う試みとして実施。空間を広く使ったインスタレーションや大作の絵画、物語を紡ぐ版画の連作、ミクストメディアなどを並べている。

 染色の伝統的技法である筒描きで制作に取り組む藤沢まゆさんは2回目の出品。人間の身勝手な行動で命を落としていった動植物が報われるような世界を表現した「楽園」を出品した。

 くじらや馬、猫などさまざまな生き物を優しい色彩で染め上げて布から切り取り、壁一面に設置。壁から浮かせたり、天井につるすなどして立体的に展示した。「これだけ大きく空間を使って展示したのは初めてで、挑戦でもあった。人が通る空間や角で展示しても面白そう」と語った。

 初参加の田中洋江さんは、繊維などを素材にしたファイバーアート作品4点を出品した。

 光をテーマにした大作では、麻の繊維を薄く広げて固めた170×230センチの布2枚をつるして展示。それぞれの布には黒く染めた繊維を貼っており、2枚の布を重ね合わせて見ると「光」の字が表れるようになっている。

 「光によって繊維の影が作られたり、カメラを扱っている時に光の美しさが写真に影響することから、光に興味を持った」と田中さん。「いろんな分野の作品が集まり、表現の多様性が一つの会場の中で一覧できる。見る人にとっても面白いのでは。ファイバーアートという分野を知ってもらうきっかけになればうれしい」と話した。

 同展実行委員の版画家・今村由男さんは「第1部は全体で一つの空間をつくり上げるような展示になった。第2部は伊那谷で活躍する各分野の作家たちが集まる、総花的なものになる」とし、来場を呼び掛けている。

 会場には、飯伊の作家と交流のあるブルガリアのレッセドラ画廊に所属する若手作家の小品も特別展示。「飯伊から離れた欧州でも若い作家たちがチャレンジを試みている。日本の若手との共通性や、日本人とは異なる感覚を味わってもらえたら」としている。

 第1部は25日まで。第2部「伊那谷を彩る作家たち」は27日から12月2日まで開き、53作家による書や絵画、CG、彫刻、陶芸、木工、漆芸、パッケージデザインといったさまざまなジャンルの作品を展示する。

 入場無料。開場は午前9時(27日は午後1時)から午後5時(25日と12月2日は同4時)まで。

  

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