飯田市座光寺の元善光寺菊人形館で20日、元善光寺菊華会(会長・本多秀賢住職)による「菊人形・菊花展」が始まった。昨年、座光寺地域自治会などの働きかけにより復活を果たした「座光寺音頭」をモチーフとした作品に加え、毎年好評の童謡シリーズなど計5つの場面が、色鮮やかな小菊で飾られたかわいらしい人形で表現され、訪れた人の目を楽しませる。
展示されているのは、座光寺音頭、七夕、荒城の月、里の秋、赤トンボの5場面。ことしは、台風の影響などにより菊の生育が遅れており、例年15日より開催してきた同展も5日遅れてのスタートとなった。それでも、地元で育てられた多彩な色の小菊を中心に、人形1体当たり約200―300本を使用(全11体)し、華やかな空間を演出している。
本多住職は「90年近い歴史を持つ菊人形展。今できる精いっぱいのことを行い、今後さらに発展させていきたい」と話していた。
元善光寺の菊人形展は、1925(大正14)年、元善光寺駅前通りの開通を祝い、駅前広場に安来節の菊人形が飾られたのが始まり。26年に座光寺商工会などによって劇場が建築されると、38年に同劇場が取り壊されるまで、大掛かりな菊人形飾りが行われた。その後61年に元善光寺菊華会が再編成され、36年間にわたり興行を継続。96年に中断されたが、98年、復活を望む多くの声を受け再開を果たした。
開館時間は午前9時から午後5時。展示は11月15日まで行われる。入場は無料。