創作神楽の刀で新型コロナウイルス感染症を断ち切ろうと、阿智村浪合小学校の6年生が11月28日、浪合地区に伝わる尹良(ゆきよし)親王の伝説を題材にした創作神楽を村浪合振興室前の中庭で披露した。
創作神楽は2年次から浪合神社の例大祭、地域の演芸文化祭などで披露してきた。最高学年の今年は毎年の行事に加え、伊那谷文化芸術祭にも参加して集大成とする予定だったが、コロナの影響で発表の機会が相次いでなくなっていた。
この日の発表会は、地域講師として神楽を指導している舞・和太鼓の井上晶子さん(39)から聞いた「神楽は良くないものをはらうために舞うこともある」という教えをヒントに、浪合振興室の協力を得て開催。練習の成果を見ようと保護者、児童を含む多くの住民が集まった。
6年生7人は、三河に向かう途中で浪合を通過した尹良親王ら南朝方と、北朝方土族の戦いをよく通る声で演じ、刀を抜く場面では井上さんの和太鼓と歌に合わせてダイナミックな舞を披露。尹良親王の辞世の句は声をそろえて吟じた。
尹良親王を演じた男子児童は「これが(小学校生活)最後の発表なんだと思いながらやったら大きな声が出せた。90点くらいの出来だと思う」と笑顔で話した。
地域講師として詩吟を指導している寺澤善周さん(81)は「練習の時よりずっといい声が出せていた」とたたえた。
◎写真説明:南朝と北朝の戦いを創作神楽で表現