南信州民俗芸能の継承推進へ 協議会が初のフォーラム

文化・芸能

[ 2016年 2月 23日 火曜日 13時00分 ]

 存続の危機にさらされている飯伊地域の民俗芸能を将来にわたって継承するため、昨年7月1日に設立された「南信州民俗芸能継承推進協議会」(片桐登会長)は21日、初の「南信州芸能継承フォーラム」を飯田市鼎文化センターで開催。記念講演をはじめ、協議会のこれまでの活動報告や今後の取組方針の発表、竜峡中学校今田人形座と阿南高校郷土芸能同好会による芸能発表、パネルディスカッションを繰り広げた。

 南信州地域は「民俗芸能の宝庫」と呼ばれ、県内で指定されている国の重要無形民俗文化財9件のうち5件が同地域に集中。県の無形民俗文化財に指定されている民俗芸能も5件ある。関係者約200人が参加したフォーラムで、片桐会長は「三遠南信自動車道、リニアの開通を見据える中で、南信州地域の誇りとして将来にわたり守り生かすべき貴重な財産。民俗芸能の継承自体が持続可能な地域となるための重要な役割を担う」と述べた。

 記念講演は、協議会のアドバイザーを務める信州大学地域戦略センター長の笹本正治さんが「南信州の民俗芸能の魅力とその活用」と題して行った。この中で笹本さんは「民俗芸能の危機的状況は、都市化と過疎化の二極分解の中で、地域文化より都市文化を上位に置く価値観がある」と指摘。「地方創生の掛け声だけで地域振興はできない。カギになるのは祭り・民俗芸能。自分たちの民俗芸能や文化の価値に気がつかなければ主張できない。もう一度その素晴らしさを確認し、発信していきたい」と語った。

 今後の取組方針について、協議会は「効果的・積極的な情報発信、啓発活動の展開」「継承意識の醸成の場・発表機会の提供」「子どもの体験促進・体験機会の提供」「地区外人材の活用・受入の促進」など9つの方向性を提示した。県下伊那地方事務所の有賀秀敏所長は、県の「南信州民俗芸能パートナー企業制度(仮称)」を説明。「2つの側面で企業のマンパワーと資金を巻き込んでいく。来年度の運用開始を目途に制度をスタートさせる。全県への波及を見据えた展開を考えていく」とした。

 続いて、飯田市立竜峡中学校今田人形座が「寿式三番叟」、阿南高校郷土芸能同好会が新野の雪祭りの「幸法の舞」と「茂登喜の舞」を発表した。阿南高校では昨年度の音楽の授業で太鼓を習ったのがきっかけで昨年2月に県内初の郷土芸能同好会が設立された。代表を務める3年生の男子生徒(18)は「新野の雪祭りは新野の大切な宝。遠山の霜月祭りも学んでいきたい。少子高齢化が進む当地域で若い人を呼び込むことをモットーに活動が継続していくよう応援をお願いしたい」と語った。

  

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