第10回南信州獅子舞フェスティバル(実行委員会主催)が15日、飯田市吾妻町の市公民館で開かれた。雨に降られて初めての屋内開催とし、20団体がステージで舞を披露した。
3年ほど前から南信州獅子舞フェス実行委員会と交流がある富山県小矢部(おやべ)市から招いた観音町獅子方若連中は、色鮮やかなほろを 揺らしながらの百足(むかで)獅子の舞を披露。獅子舞の多様性を印象付けた。
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雨のため屋内開催となった同フェスティバルだが、会場となった市公民館ホールは超満員となり、各保存会は照明の下、力の入った演舞で盛り上げた。
初出演した鼎の東鼎獅子舞保存会は「ピチピチの新人さんです」というアナウンスに続いて舞を披露。若者から高齢者までの保存会員が2列に並び、この日のために練習を重ねた笛の音を響かせた。
ロビーでは富山県射水市の獅子舞アーティスト、高畠久宗さん(26)による獅子頭の製作実演もあり、来場者や獅子舞関係者の注目を集めた。
戸崎敬実行委員長(65)は「あいにくの雨となったが、スポットライトを浴びながら舞う獅子は見栄えがする。リズムを崩さずに見せ場を工夫した各保存会の演舞も素晴らしかった。お客さんも多く入り、結果的によい祭典になった」と振り返った。
伝統芸能の継承に向け、昨年から目立つようになった“親子獅子”は今回も多く「いい傾向」「子どもからお年寄りまでが一緒に取り組む姿は温かみがある」といった声が多く聞かれた。
家族6人で来場した下久堅の女性(30)は「千代の芋平で獅子舞に参加していたので、以前から来たかった。子どもも獅子舞が好きで、どうしても見たいと言っていた。すごく素敵な催しだと思う」と話していた。