南信州短歌大会、県内外から140首余

文化・芸能

[ 2014年 6月 11日 水曜日 13時01分 ]

 南信州新聞社主催「第10回南信州短歌大会」が8日、飯田市東栄町の飯田勤労者福祉センターで開かれた。飯田下伊那地域を中心に、愛好者ら約110人が出席。歌人の佐佐木幸綱さんを講師に迎え、講演と投稿歌の講評を聴いた。

 本紙創刊50周年記念事業の一つとして、2004年から開催。短歌愛好者の研さんと地域における短歌文化の発展を目指している。ことしは創刊60周年記念大会として実施。本紙「読者文芸」欄の短歌投稿者や本社主催の「南信州短歌教室」受講生らを中心に、高校生から90代まで、県内外から143首が寄せられた。

 講師の佐佐木さんは、1938年東京都出身。20歳の時に短歌を始め、59年、早稲田大学入学と同時に同大学短歌会へ入部。「心の花」主宰・編集長、現代歌人協会理事長、早稲田大学名誉教授などを務める。歌集『アニマ』『逆旅』『はじめての雪』『ムーンウォーク』などを刊行している。

 大会では、はじめに佐佐木さんが「短歌の主題」と題して講演。投稿歌の中で、作者自身のことについて詠んだものが多かったことを指摘し「自分のことばかり言う歌だと面白くない。それぞれがテーマを持って歌を作ること」とし、自身の短歌や若山牧水、河野裕子らの作品を紹介した。

 また社会問題などを詠んだ栗木京子の歌集を取り上げ「ニュースで知っていることを歌にする時、その情報に対してどれだけ純粋に感じ、鋭い反応をするか。意外な反応をすると、読者も読みたくなる。時事的な歌や、日々の動きを題材にして歌を作ってみて」と呼び掛けた。

 続いて佐佐木さんが投稿歌を講評し、言葉の遣い方など歌を作る時のコツについて助言。南信州短歌教室講師の木下瑜美子さん(飯田市上郷黒田)も加わって投稿歌を読み上げ、歌の感想を述べた。

 日々の思いや家族、幼い頃の思い出、伊那谷の風景など、身近なことを題材にした歌や、戦争、東日本大震災について歌ったものも。佐佐木さんは「短歌は日常の言葉で言えないことを歌うものだから、日常の言葉は使わないこと」「格調高い歌は文法がきちんとして、言葉の骨格がしっかりしている。文法は注意して」などとアドバイスしていた。

 家族との旅行や旅先での体験を詠んだ作品については「その場で作るのは難しいので、写真を撮ってきて見ながら作ってもいい。取材をしようと思って出掛けて、見えたことや聞こえてきた音などその場の様子を描写して」と話していた。

 佐佐木さんの選により、特選3人、入選10人が選ばれた。代表者があいさつに立ち「思いがけない賞で、選んでいただきありがたい。これからの大きな励みになる。きょうの佐佐木さんの教えを参考に、私らしい歌をつくることができれば」とし、謝辞を述べていた。

  

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