南信州短歌大会に134首、小高賢さん迎え講演と講評

文化・芸能

[ 2010年 6月 15日 火曜日 16時10分 ]

 南信州新聞社主催の「第6回南信州短歌大会」が13日、飯田市東栄町の飯田勤労者福祉センターで開かれた。飯田下伊那地方を中心に、愛好者ら約90人が出席。小高賢さん(65)=東京都墨田区=を講師に迎え、講演と投稿歌の講評を聴いた。

 本紙創刊50周年記念事業の一つとして、2004年から開催。短歌愛好者の研さんと地域における短歌文化の発展を目指している。ことしも、本紙「読者文芸」欄の短歌投稿者や本社主催の「南信州短歌教室」受講生らを中心に、県内外から大会史上最多の134首が寄せられた。また地元高校生の初参加があり、見事入選を果たした。

 講師の小高さんは、1944(昭和19)年東京都本所区(現墨田区)生まれ。慶応義塾大学経済学部で近代日本思想史を専攻。出版社の編集者として馬場あき子さんに出会い、以後、仕事の枠を超えて交友し78(昭和53)年「かりん」創刊に参加。馬場さんのすすめで作歌を始めると同時に、批評活動を展開している。現在「かりん」選歌委員、現代歌人協会理事、「よみうり文芸」「日本農業新聞」歌壇選者などを務めている。

 著書に、歌集『耳の伝説』『本所両国』(第5回若山牧水賞)『液状化』、歌書に『批評への意志』『宮柊二とその時代』『転形期と批評』などがある。

 投稿歌の講評に先立って「老いの歌のおもしろさ」をテーマにした講演が行われた。高齢の現代歌人の歌を取り上げながら、老いをテーマとした短歌のおもしろさ、歌う時の心構えなどについて紹介した。

 小高さんは、中世の和歌や近代短歌ではあまり歌われることのなかった「高齢の歌」を積極的に歌うことを奨励。老いているからこそ体験できる痛みなどの感覚、状況を自分の言葉で率直に表現することを提案した。「今の年齢はとても大事。その時にしか体験できないことを歌うこと。自分が『こうだ』と思うことをわがままに追求し、わかりやすくしようとせず自分勝手に作ると個性になる。この程度でいいか、と思える『老人力』のある歌を歌ってほしい」と話した。

 続いて、出席者の投稿歌を、小高さんがすべて講評した。歌の素材の扱い方や言葉の減らし方、個性を表現するコツなどに触れながら「説明的な歌が多い。詠み手を誘い込んで想像をふくらませるように作るといい。歌いたいことを1つだけ取り上げ、いろいろ入れ込もうとしないこと」などと解説。実際に言葉を変えたり、別の句に組み替えるなどして作歌の際の工夫の仕方を紹介した。

 小高さんの選で、特選に伊坪富喜子さん(80)=飯田市丸山町=、木内かず子さん(61)=同市滝の沢=、市瀬准子さん(66)=喬木村=の3人、入選に10人が選ばれた。特選を代表して市瀬さんが「まだまだ短い歌との生活の中でこのような賞を頂いて光栄に思う。今日の日を励みに、歌作りに精進していきたい」と、喜びと感謝を伝えた。

  

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