天龍村で「坂部の冬祭り」 鉞振るい火花散らす

文化・芸能

[ 2015年 1月 6日 火曜日 13時56分 ]

 天龍村坂部の大森山諏訪神社で4日夜から5日昼にかけ、国重要無形民俗文化財の湯立て神楽「坂部の冬祭り」が行われた。住民らが夜通しで神事を繰り広げ、5日午前6時半過ぎに「たい切り面」を着けた赤鬼が登場。鉞(まさかり)を振り、神子が持つ松明(たいまつ)に切りつけて火花を散らした。

 3日の「向方のお潔め祭り」、5日の「大河内池大社例祭」と合わせた天龍村霜月祭りの1つ。旧神原村の3社で旧暦の霜月(11月)に行われていた湯立て神楽を、ほぼ原型のまま伝承している。

 舞い手「神子」たちが天竜川で身を清め、4日夕に神々を下の森(火王社)から同神社に運ぶ「お練り」で幕を開け、社殿内の舞堂(まいどう)で、翌朝まで舞や湯立てを重ねた。

 満天の夜空が白みはじめた午前6時半過ぎに赤装束のたい切り面が登場。囃子に合わせてドン、ドンと地を踏み鳴らし、鉞を振って邪気を払った。

 笛の調べが変わると、赤鬼は鉞を燃えさかる松明に激しくぶつけ、火花を四方へ。再び激しく地を踏み、勇ましく舞った。

 同地区の旧家、熊谷家当主、直吉の夢占いをきっかけに、室町時代の1428年(正長元年)に始まったとされ、無病息災や子孫繁栄を願っている。

 同集落は人口が22人にまで減少しているが、伝統を守ろうと出身者たちが毎年、各地から駆け付けて興じている。

 ことしは村に移住し、地域おこし協力隊として活動している男性(27)も神子として活躍した。

 祭を切り盛りしている氏子総代長の関福盛さんは「集落の人口は減ってしまったが、次の世代、またその子どもたちへと祭りを受け継ぐことができそうで安堵している。まだまだ自分も続けていきたい」と話していた。

  

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