天竜川に春の訪れを告げる奇祭「時又初午はだか祭り」が10日、飯田市時又の長石寺と時又港周辺であり、みこしを担いだ男女100人以上が厄除けや豊作、地域の安全を願い、天竜川で水を浴びながら豪快にきおった。
長石寺の初午まつりと小笠原長清の戦勝お礼参りに由来する祭りで、一時中断したが、1960(昭和35)年に現在の「初午はだか祭り」として復活。さらしを巻いた男性たちが冷たい川の水を浴びる勇姿が呼び物となっている。
長石寺で祭りの安全を祈願した100人以上が7基のみこしを担ぎ、「オンスイ(御水)」の掛け声とともに勢いよくきおい、天龍橋を経由して時又港に向かった。
川岸に着くと、まず本厄を迎えた13人が「厄除けの儀」として川の水を全身で浴びいた。続いて鈴岡太鼓の勇壮な和太鼓演奏が鳴り響く中、全員がみこしを担いで天竜川へ。寺の神馬を洗い清めるための水を若者たちがくんだ。
祭り保存会の伊原聰会長は「天気が心配だったが無事にできて何より」とほっとした表情で話していた。
◎写真説明:冷たい天竜川の水を浴びる若者ら