天龍村で「坂部の冬祭り」

文化・芸能

[ 2017年 1月 5日 木曜日 16時58分 ]

鉞を松明にぶつけるたい切り面

 天龍村坂部地区の大森山諏訪神社で4日夕から5日昼にかけ、国重要無形民俗文化財の湯立て神楽「坂部の冬祭り」が行われた。600年続く集落の行事に地元住民らが夜通しで神事を繰り広げ、5日午前6時前に主役の「たい切り面」を着けた赤鬼が登場。鉞(まさかり)を振り、神子(かみこ)が持つ松明(たいまつ)にぶつけて火の粉を散らし子孫繁栄や無病息災を祈願した。

 3日の「向方のお潔め祭り」、5日の「大河内池大社例祭」を含めた天龍村霜月祭りの1つ。旧神原村の3社で旧暦の霜月(11月)に行われていた湯立て神楽で、原型をほぼとどめた状態で現在まで伝承されている。

 天竜川で身を清めた舞い手の「神子」たちが、4日夕に神々を下の森(火王社)から同社へ運ぶ「お練り」で幕開けすると、社殿内の舞堂(まいどう)で翌朝まで剣や鈴を使った装飾舞や湯立てを繰り広げた。

 夜空が白み始めた午前5時50分ごろ、赤装束のたい切り面が登場すると、囃子(はやし)に合わせてドン、ドンと両足で地を踏み鳴らし、鉞を振って邪気を払った。笛の調べが変わると祭りは最高潮に。赤鬼が燃えさかる松明に鉞を激しくぶつけ、四方へと火の粉を飛び散らした。

 同地区の旧家・熊谷家当主の直吉の夢占いをきっかけに、室町時代の1428年(正長元年)に始まったとされる祭り。炊事係として裏方で参加した地域おこし協力隊の福本明花(はるか)さん(22)は「地元の皆さんはこの祭りに照準を合わせてくる。継承する重みを感じながら、長い間変わらずに行ってきているところがすごい」と祭りを見守った。

  

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