市美術博物館で春草コレクション展示

文化・芸能

[ 2012年 10月 22日 月曜日 16時52分 ]

 飯田市追手町の市美術博物館は28日まで、市内出身の日本画家・菱田春草(1874―1911)のコレクション展示「『夕(ゆうべ)の森』―外遊と色彩の展開―」を行っている。来年3月まで6回にわたって実施する春草のシリーズ展示の第5回。絵画12点と書簡や写真などの資料を並べ、海外遊学を経て色彩重視の姿勢へ進んだ春草の画風を紹介する。

 春草は1904(明治37)年に横山大観らと共にアメリカへ、翌年ヨーロッパへ遊学し、見聞を広めるとともに各所で個展を開催。その際、日本では酷評を受けた「朦朧体」の作品が高い評価で受け入れられ、自信を深めた。またヨーロッパで目にした印象派などの絵画から、色彩の重要性を再認識し、帰国後にはより鮮やかな画風に取り組むようになる。

 遊学中に手掛けた「夕の森」(1904年)は、沈みゆく夕日を背景に浮かび上がる森林と、その上空を飛ぶカラスの群れを描いたもの。逆光を受ける針葉樹の森には輪郭線がなく、刷毛によるぼかしが用いられ朦朧体における表現法が表れているが、薄く朱色を施してかすかな残光を表した空には朦朧体特有の色彩の混濁がなく、澄んだ秋の空気を感じさせる。

 帰国後に制作した「帰樵」(06年)は、薪集めを終えた夫婦が夕映えの中で家路に就く光景を描いた、情感あふれる作品。背景の夕焼けは上方から下方に向けて色彩を薄めるグラデーションの手法が採られ、複数の色を用いないことで画面の明度が確保されている。

 また明瞭な色彩のほか画面構成を求めた画風を志向した春草は、山の稜線によって近景・中景・遠景を表現した「高士訪友図」(09年)なども描いている。

 会場には、大観や西郷孤月、木村武山が同じ頃に制作した作品も展示。併設する「飯田の美術」コーナーでは、飯田の収集家が好んだ京都画壇の中から、四条派の作家の作品7点を並べている。

 シリーズ展示第6回「『春秋』―新たなる地平―」は来年3月2日から31日まで。春草最晩年の装飾的画風について紹介する。

 開館は午前9時半から午後5時(入館は同4時半)まで。月曜休館。観覧料は一般310円、高校生200円、小中学生100円。20人以上は団体料金。問い合わせは同館(電話0265・22・8118)へ。

  

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