市美術博物館で春草コレクション~おめでたい画題を~

文化・芸能

[ 2014年 2月 20日 木曜日 13時43分 ]

 飯田市追手町の市美術博物館は3月2日まで、市内出身の日本画家・菱田春草のコレクション展示「春草の時代―吉祥―」を行っている。おめでたい吉祥画題をテーマに、春草や周辺画家の描いた作品、資料など20点余を並べている。

 4月まで全6回実施する春草のシリーズ展示の第5回。今年度は画題ごとに、同館所蔵・寄託の春草作品を紹介している。今回は、海上にそびえる中国の伝説上の神山「蓬莱山」を描いた作品をメーンに、春草と日本美術院の盟友の横山大観、西郷孤月らの日本画を展示した。

 春草の「蓬莱山」は3点を出品。明治32~34(1899~1901)年に制作された作品は、海ではなく地上の山として描かれ、鶴が周囲を飛ぶ。同43(1910)年の作品は海を入れ込み、構成・色彩美を重視しながら穏やかなイメージで神仙の世界を表現している。

 大観は朦朧体のやわらかな色彩で画面いっぱいに山を描写。孤月は狩野派を基盤とした伝統的技法で、波しぶきの荒い海上にあるという蓬莱山の伝説に基づき画面を仕上げている。

 他、日本の蓬莱山とされる富士山を画題にした下村観山や奥村土牛、大観の弟子・丹阿彌岩吉らの作品も。隣接する「飯田の美術」のコーナーでも、安藤耕斎や鈴木芙蓉ら飯田ゆかりの画家による蓬莱山と富士山の日本画を並べた。

 資料紹介のコーナーでは、春草が「落葉」を制作した同42(1909)年に家族や友人らに宛てた書簡類を展示している。

 次回は3月8日から4月6日まで、花木を画題とした作品を取り上げる。

 開館は午前9時半から午後5時(入館は同4時半)まで。月曜と祝日の翌日は休館。観覧料は一般310円、高校生200円、小中学生100円。20人以上は団体料金。同館で開催中の「現代の創造展」観覧券でも鑑賞できる。問い合わせは同館(電話0265・22・8118)へ。

  

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