舞台芸能師の加藤木朗さんとともに舞台で活動している仲間5人が4日、阿智村昼神温泉の旅館を巡り、厄払いの舞を演じた。
新型コロナウイルス感染拡大で、昼神温泉にも影響が出ている中、加藤木さんらは「何か自分でもできることを」と考え、獅子舞など3つの舞をアレンジした厄除けの舞を考案。同温泉にある旅館など19施設を訪問した。
加藤木さんと女性4人が演じ、5人は5分ほどの舞を各旅館の玄関前で披露した。3部で構成され、まず加藤木さんが扇子を使った「火伏せ舞」でその場を清めた。
次に艶やかな着物に身を包んだ女性2人が「鶏舞」を披露。新しい種をまいて明るい未来が来るようにとの意味を込めている。太鼓に合わせ扇子を振りかざしたり、大きく足踏みをしたりして躍動的な踊りを演じ、最後は2人が手を組みながらぐるぐると回った。
最後は獅子舞が登場。「権現舞」と呼ばれる舞で、清め種をまいた場所に悪いものが入ってこないようにとの願いを込めた。女性2人が演じ、笛の音が響く中、歯を鳴らしながら軽やかに舞った。
舞を演じている間、各旅館では従業員や宿泊者が見学。優雅な舞に見入り、終わると拍手をしていた。
加藤木さん(52)は「喜んでくださる方もいてありがたかった。この舞で温泉の皆さんが少しでも明るい気持ちになればうれしい」と話した。
◎写真説明:鶏舞を披露する加藤木さんとメンバーら(昼神温泉で)