日本画の多様性を 創画会の70周年記念展 市美術博物館

文化・芸能

[ 2017年 3月 18日 土曜日 15時30分 ]

作品を解説する滝沢さん(市美術博物館で)

 日本画団体の一般社団法人、創画会(東京都)の創立70周年記念展が18日、飯田市追手町の市美術博物館で始まった。創立会員から現会員まで、91人の100号以下の作品を1点ずつ展示。市内からは、同会副理事長で同館館長の滝沢具幸さん(下久堅出身)と宮島弘道さん(伝馬町出身)が出品している。5月7日まで。

 同会は日展、院展と並ぶ日本画の主要団体の一つで、日本画の将来に危機感を抱く東京、京都の中堅日本画家13人によって1948(昭和23)年に結成された「創造美術」にルーツを持つ。

 従来の日本画の枠にとらわれない、自由で革新的な絵画表現を目指して活動し、51(同26)年、洋画家を中心とした新制作派協会に合流して新制作協会日本画部に。74(同49)年に再び新しい環境と純粋性を求めて同協会から独立し、創画会を結成した。

 創造美術創設から70周年を記念する展覧会を企画し、飯田を皮切りに福井、新潟、富山、東京、京都、愛知、静岡の8会場を巡回して開催。

 創立、物故、現会員の作品を並べ、団体の歩みを紹介している。創造美術発足時のメンバーの寄せ書きや、同市松尾出身の美術雑誌社社長・藤本韶三が発行する雑誌の中で団体を紹介した記事なども並べた。

 現会員は自身で選んだ作品を、物故者のものは遺族や所蔵する美術館に依頼して出品。シュルレアリスムやキュビズム、アンフォルメルといったその時々の海外の美術運動を意識しつつ、日本画の伝統的技法や素材を重視して制作している。

 宮島さんは重力をテーマにした作品を出品。粘土を固めてパネルに貼り、表面を削り取って図様を表現しており、削られた土は下に設置した受け皿にたまっている。

 滝沢さんは月に照らされた森の風景を作品に。画面上で絵の具を流し、プラチナの月に照らし出された青い森の神秘的な光景を描き出している。

 滝沢さんは「会の作品を飯田の皆さんに見てもらいたいと思っていたのでうれしい。創造美術の発足から新しい創造の精神を主体に、画壇の中で影響を与えてきた足跡がある。抽象、具象などさまざまなことをしながら自分を模索してきた。日本画の多様性、柔軟性を感じ、開拓精神を見てもらえたら」と話している。

 開館は午前9時半から午後5時(入館は同4時半)まで。一般500円、高校生300円、小中学生200円。月曜日と祝日の翌日は休館。

 関連事業として4月30日、滝沢さんと会員の西久松吉雄さん、武田州左さんによるシンポジウムを。5月5日にはシンポジウム「創画会 長野県ゆかりの会員たち」を開催する。どちらも午後1時半から。問い合わせは同館(電話0265・22・8118)へ。

  

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