阿南町の早稲田の人形芝居が26日、早稲田神社境内で繰り広げられた。元禄から明治、大正時代にかけて最盛期を迎え、早稲田人形保存会(伊藤幸美会長)が今も伝える国選択無形重要文化財。地元住民やアマチュアカメラマンなど100人が訪れ、表情豊かな人形芝居の技に見入った。
祭典にあわせて行われた神社の神事では 拝殿で「三番叟(さんばそう)」を奉納。白い装束で身を包んだ人形遣いが演じ、神へ五穀豊穣と無病息災を願った。
続いて、人形の館で人形芝居を上演。昨年に引き続き阿南第一中学校の生徒が三番叟を上演。総合学習の時間を使って練習してきた生徒たち。同校2年の男子生徒は「とても緊張してあせってしまったけど、なんとかうまくやれた」と話していた。
保存会のことしの演目は「本朝廿四孝四段目十種香の段」。武田勝頼と上杉謙信の娘の八重垣姫との場面で、両家の対立と複雑な事情の中で揺れ動く2人の心情を人形遣いの妙技で演じきった。