本社主催の南信州短歌大会開催

文化・芸能

[ 2017年 6月 13日 火曜日 15時18分 ]

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 南信州新聞社主催「第13回南信州短歌大会」が11日、飯田市東栄町の飯田勤労者福祉センターで開かれた。県内外の投稿者計115人のうち、飯田下伊那地域を中心とした約80人が出席。歌人の三枝昻之(さいぐさたかゆき)さんを講師に迎え、講演と投稿歌の講評を聴いた。

 本紙創刊50周年記念事業の一つとして、2004年から開催。短歌愛好者の研さんと地域における短歌文化の発展を目指している。ことしも本紙「読者文芸」欄の短歌投稿者や本社主催の「南信州短歌教室」受講生らを中心に、20―90代までの投稿者から115首が寄せられた。

 講師の三枝さんは1944(昭和19)年、山梨県出身。同県立文学館館長、歌誌「りとむ」発行人、日本歌人クラブ会長、宮中歌会始選者などを務める。

 大会では、はじめに三枝さんが「魅力的な歌を作るための心構え」をテーマに講演した。三枝さんが大学で指導した学生らの歌や、歌人の作品を例に、作歌での注意点として▽場面が見える歌▽うれしい、悲しい、せつないを他の表現で表す▽個性的な表現にチャレンジする―を挙げた。

 また結句の大切さを強調。「蛇足になるか決定打になるか、作品の印象が天と地ほども変わる。ここまで説明しないと伝わらないんじゃないかと思うから説明してしまうが、読者を信頼して」と呼び掛けた。

 続いて出席者の投稿歌を講評。一点ずつ取り上げながらそれぞれの歌の感想を語ったり、助言を行った。投稿歌は、家族への思いや日常生活、自然の移り変わり、過去の出来事を題材にしたものなど。不安定な社会情勢を反映させた作品もあった。

 三枝さんは「口語はその人の生の気持ちを生かす効果がある」「自分の暮らしに引きつけるように詠むことが大切」「食べ物の歌はおいしさを感じるかどうかがポイント」などと語り、言葉の選び方やリズム感、上の句と下の句との組み合わせ方をアドバイスしていた。

 続いて三枝さんの選により、特選に松島房子さん、奥田貞子さん、佐々木桂子さんの3人、入選に10人が選ばれた。

 代表してあいさつに立った松島さんは、投稿歌について語り「田舎の厳しさ、楽しさ、素晴らしさを孫などに伝えたいと、春秋に一緒に農作業をしている。農業も短歌も思うようにいかないが、楽しみ、苦しみながら続けていきたい」と、謝辞を述べていた。

 特選者と作品、入選者は次の皆さん。

 ◇特選
 水田に素足踏み入れ苗植うる子らの歓声谷間にきらめく
    松島房子
 女子は大事助詞はさらなり指を折る昨日のつづきの一字をさがす
    奥田貞子
 人口の年ごと減りゆくこの街にごつそり来ぬか例へば秋葉原(アキバ)
    佐々木桂子

 ◇入選
 乾百樹、林和子、福沢弘子、伊坪富喜子、田中陶子、後沢恒子、安藤千穂子、岡本宏子、榊原一男、中原朋子

  

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