飯田市大瀬木の熊野神社で5日、秋季祭典宵祭り「扇祭り・火祭り」があった。五穀豊穣と家内安全などを願う「ハーリャ」の掛け声が響く境内で、扇みこしとたいまつによる厳かな祭典、仕掛け花火、三国の奉納を繰り広げた。
和歌山県の熊野那智神社で行われる「那智の火祭り」にならい、1993年に創建300年を記念して始めた祭りで、21回目。ことしは滝沢・梅ケ久保が年番を務めた。
みこしを担いで各町内を回った氏子たちは、5つの扇みこしと重さ二十数キロのたいまつを掲げて神社入りし、「ハーリャ、ハーリャ」という独特の掛け声を連呼。続いて境内中央の大かがり火に点火した。
森友太鼓の奉納演奏に続く火祭りでは、成人男性と子どもが最初に登場したものより小ぶりなたいまつを持ち、円を描くようにして境内を回ると、大瀬木の杜に幻想的な光景が広がった。
訪れた人は振る舞われた豚汁、お神酒などを口にしながら、炎の祭典に見入っていた。
代表総代は「年番は早くから取り組み、しっかり準備してくれた」、年番長(祭典実行委員長)は「小さな班だが無事開催できた。けがのないよう楽しんでほしい」とあいさつした。