田中節山さん官邸に書贈る 中学で首相に国語教える

文化・芸能

[ 2016年 1月 12日 火曜日 14時12分 ]

 喬木村伊久間出身の書家で、同村ふるさと大使の田中節山さん(76)が、首相官邸(千代田区)を訪れ、教え子の安倍晋三首相に自ら手掛けた書「隆熾(りゅうし)」を贈った。

 寄贈した書は官邸内に飾られている。

 田中さんは大東文化大を卒業後、成蹊中学・高校の教諭となり、安倍首相の中学3年間は国語を教えた。「おとなしい生徒で、勉強は一生懸命だった。剣道にも打ち込み、グループを大事にしていた印象がある」と当時を振り返る。

 日展を通じて官邸から作品寄贈の依頼があり、「頑張っている姿が重なり、応援したい言葉」として作品に「隆熾」の2字を選んだ。

 隆熾は、中国晋代(西暦300年代)の謝霊運の「山居賦」という詩中の語で、赤々と燃え盛る火のように物事に強い姿勢で対処していく―などを意味する。

 「今に生きる精いっぱいの姿を筆にのせ、文字の中に表現できたら」。そんな思いを込めてしたためた。作品は自ら会長を務める書象会に対する思いにも重なり、昨年の第5回書象展に出品されている。

 昨年末、田中さんは妻とともに官邸を訪ね、安倍首相と20分ほど歓談した。作品の構想や出典、意味、作品に込めた思いなどを伝え、田中さんが任命されている書道教育充実推進協議会委員や、日本書道(書き初めを中心として)ユネスコ無形文化遺産登録推進協議会委員に触れると強い関心を示したという。

 また安倍首相の中学時代に話が及ぶと、「にこやかな表情で当時を懐かしむ姿も見られた」(田中さん)。対面するのは2006年の第1次安倍内閣発足後、成蹊の関係者らによる激励会以来といい「久しぶりの再会だったが健康を取り戻し、元気な姿を見ることができてうれしかった」と話した。

 田中さんは大東文化大の名誉教授で、全国書美術振興会理事や全日本書道連盟常任理事、書象会会長などを務める。14年には喬木村のふるさと大使に就任した。

  

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