来年の御柱大祭に向け、飯田市下久堅の知久平諏訪神社は28日、神木を決める「本見立ての儀」を虎岩の私有林で行った。
祭典委員長で区長の中山邦彦さんら氏子約40人が集まり、モミの木2本を正式に御柱用材とした。一之柱、二之柱とも幹回りが1メートル60~70センチあり、虎岩第一常会の個人が寄進した。
氏子が認めた木にしめ縄が飾られると、平沢豊宮司は諏訪大社上社から分与されたご神体で、鳥の頭の形をした「薙鎌」(なぎかま)を打ち込んだ。
祭りの安全と成功を祈願する神事に続いて、木遣り唄の奉納もあった。
同神社の御柱祭は、史料に残る1830(天保元)年から数えて32回目。年数にして186年だが、古くからの言い伝えではおよそ750年にわたって受け継がれているという。
伐採と山出しは来年3月13日、里引きと建立は同月26日を予定している。
中山さんは「お祭りを起爆剤に地域のムードを高め、住民同士がもっとコミュニケーションを取れるようになれば」と話していた。