美しい水中の世界を 巨大人形劇「さんしょううお」

文化・芸能

[ 2017年 8月 4日 金曜日 16時33分 ]

巨大な人形たちが登場する「さんしょううお」

 NPO法人いいだ人形劇センターがプロデュースする巨大人形劇「さんしょううお」の公演が3、4日、飯田市高羽町の飯田文化会館で行われた。飯田下伊那地域を中心とした中学生から60代まで約30人が、2年かけて作り上げた舞台を発表。多くの観客が来場し、巨大な人形たちが登場する美しい水中の世界を楽しんだ。

 2015年秋に始まった人形劇プロジェクトで、井伏鱒二の小説「山椒魚」をもとに参加者が制作した物語。チェコを拠点に活動する人形劇作家の沢則行さん(55)を監督に迎えて作品作りに取り組み、昨年のいいだ人形劇フェスタでは、8分程度のデモ上演を同館前で行った。

 ことしはホールに舞台を移し、完成版を発表。ステージには優しい色彩の布を張って、水中生物たちが住む洞穴の世界を表現したほか、水面をイメージさせる寒冷紗を客席の上まで張った。

 また、水にインクや油などを垂らしてオーバーヘッドプロジェクターで投影することで、川の流れや濁りを表し、幻想的な水の中の情景をつくり上げた。

 音楽は市内出身の作曲家、佐東賢一さんが担当。飯伊のクラリネット愛好者でつくる「ソノール・クラリネットアンサンブル」がステージ横で生演奏を披露した。

 水中生物たちは、かつてサンショウウオの親子を追い出して手に入れた洞穴で楽しく暮らしていたが、突然現れたサンショウウオに襲われてしまう。

 色鮮やかな生き物たちは、会場の中を駆け抜けたり、ステージの上で歌とダンスを繰り広げたりと、生き生きとした姿で会場を魅了。

 縦3×横4メートルの巨大なサンショウウオの口の中に、生き物たちが次々と飲み込まれていくと、観客はその迫力に圧倒されていた。終演後には、観客が出演者と触れ合ったり記念撮影を行っていた。

 双子のタニシを演じた、阿南高3年の古田彩葉さん(18)は「終わった後、お客さんに楽しかったとか、かわいかったと言われてうれしかった。人形を作ったり稽古するのは大変だったけど、皆と一緒に作業するのは楽しかった。大学進学で人形劇はできなくなってしまうけど、他の機会があればやってみたい」と笑顔を浮かべた。

 同作を発案した後藤康介さん(35)=飯田市上郷黒田=は「2年間頑張ってきたことを、たくさんの人に見てもらえてうれしい。仕事や学校があってフルメンバーで練習する機会がなかなかとれなかった。理想としては、メンバーが代わっても今後も演じ続けられるようなものになれば」と語った。

 沢さんは「アマチュアが一生懸命つくった劇。お客さんは帰る時に笑顔が多かったので、好評だったのでは。参加したメンバーには、今後も何らかの形で続けていってくれたら」とした。

 「人形劇を見た後、今度は自分たちでつくって発表することを繰り返すことで、人形劇をするグループができ、人形劇を育てる人がいて人形劇のまちになっていく。一番は継続。やれる範囲でやっていくこと」と話していた。

  

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