飯田お練りまつり協賛特別展「信州飯田領主堀侯―日本を動かした郷土の外様大名―」が、飯田市追手町の同市美術博物館で開かれている。
江戸時代の飯田領主、堀侯がどのような人物であったのか知らない地元の人たちに、日本史上での活躍を知ってもらい、その恩恵がもたらした先進の情報や技術・文化を感じ取ってもらいたい―と企画。信長・秀吉・家康ら天下人に仕えて活躍した信州飯田領主堀侯の始祖から藩祖までの「御三霊」三代、江戸後期から幕末に幕閣として活躍した10・11代を中心に、飯田領を12代にわたって統治した堀侯の実績と資料200件あまりを紹介。あわせて、太宰春台や菱田春草ら飯田藩ゆかりの人物についても触れ、政治・経済・文化的に栄えた江戸時代の飯田を振り返る。5月9日まで。
展示品はほぼすべてが初出品。「緋紫藍革縅胴丸(ひむらさきあいかわおどしどうまる)」や「小桜縅胴丸」など、常設展以外で初めて甲冑を展示。ほか堀家の宝物として、伝唐寅の「岳陽楼眺望図・酔翁亭宴飲図」、初代親昌が収集した、室町時代末期から江戸時代初期の短冊や色紙を張り込んだ「古筆手鑑」などを出品している。
展示替えあり。前期展示は4月11日まで、後期は13日から。観覧料は大人500円、高校生300円、小中学生200円(団体割引あり)。お練りまつり関連の品々を展示する展示室Bのみ無料。観覧は午前9時半から午後5時まで。
長姫のエドヒガン(安富桜)開花前後の3月30日から4月4日、展示室Bのみ午後9時まで夜間開館(無料)。飯田お練りまつり開催期間の3月26日から28日には、特別展全体を鑑賞できる夜間開館を行う。問い合わせは同館(電話0265―22―8118)へ。
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また同展開催のオープニングセレモニーとして20日、桜丸御門(赤門)の開門と本町三丁目大名行列保存会(大島明会長)による大名行列が行われた。
午前9時、赤門が開くと大名行列が登場。本番のお練りまつり同様に道具をそろえ、衣装に身を包んだ43人の参加者が門をくぐり、門の前で演技を行った。
大島会長は「この日までに演技を完成させることを目標に、練習を行ってきた。ほぼ出来上がってきているのでほっとした」と話した。
続いて美術博物館に移動し、前庭で演技を披露。その後、開館すると展示室入口前ロビーにてオープニングセレモニーが開かれた。
参加した牧野市長は「ことしは7年に一度のお練りまつり開催ということで、大名行列の皆さんにも参加してもらった。堀侯は200年間、飯田下伊那を治め、文化・経済の発展を大きく支えた。外様大名であったが、江戸幕府のなかで中枢的な役割を担った。郷土の偉人として見直し、多くの人に、堀侯に関するさまざまな側面を知ってもらいたい」と話した。
関係者によるテープカットが行われた後、観客は会場に入場し自由観覧。学芸員による展示解説もあった。