飯田市美博で「須田剋太とオノサト・トシノブ」展開催

文化・芸能

[ 2016年 4月 1日 金曜日 13時25分 ]

 飯田市美術博物館は5月8日まで、コレクション展示「抽象画家―須田剋太とオノサト・トシノブ―」を追手町の同館で開いている。飯田に多数の作品を寄贈した須田剋太(1906―90)と、市内出身のオノサト・トシノブ(1912―86)の作品計37点を展示し、それぞれが取り組んだ抽象画を紹介している。

 須田は埼玉県吹上町出身。旧制熊谷中学校卒業後、ほぼ独学で油絵を学んで光風会展や文展、日展で活躍した。具象画の分野で評価を高めていったが、抽象画家の長谷川三郎の美術理論や思想に共鳴し1949年から、抽象表現を中心とした制作活動に取り組むようになった。

 90年、同館初代館長の井上正さんに請われ、抽象画など459点を飯田市へ寄贈。同年4月に寄贈記念展が同館で開催された際、初めて来飯している。

 会場には、寄贈作品のうち油彩や水彩などによる19点を展示している。厚く盛り上がった油絵の具がキャンバスの上を走る「ブルー」や、さまざまな色の丸が画面を埋める油彩画。

 日本国際美術展やサンパウロビエンナーレに出品された「作品11」など、素材そのものの存在感が表れた力強い作品が並ぶ。

 オノサトは飯田市大久保町生まれで、19年に群馬県富岡町、22年に桐生市へ移住。31年に津田青楓洋画塾へ入塾し、35年、仲間と結成した「黒色洋画展」の頃から抽象表現に取り組み始めた。42年に出征し、3年間のシベリア抑留を経て48年に帰国を果たすと、再び抽象表現を研究。

 円を主題としたモザイク風の様式を追求し、63年に日本国際美術展で日本部門最優秀賞受賞。グッゲンハイム国際展やヴェネツィアビエンナーレなどに出品した。

 今展には油彩や水彩、シルクスクリーンの18点を展示。2つの円の周囲を細かな矩形が埋め尽くす「2つの丸」、カラフルな三角形や四角形が斜めに走る画面の中に複数の円が浮かび上がる「Galaxy(銀河)」など、幾何学形が複雑に組み合わされた作品が並んでいる。

 開館は午前9時半から午後5時(入館は同4時半)まで。月曜(祝日の場合は開館)と祝日の翌日は休館。観覧料は一般310円、高校生200円、小中学生100円。20人以上は団体料金。

  

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