美博で春草展を開催中

文化・芸能

[ 2013年 3月 8日 金曜日 14時54分 ]

美博春草コレクション展 飯田市追手町の市美術博物館は31日まで、市内出身の日本画家・菱田春草(1874―1911)のコレクション展示「『春秋』―新たなる地平―」を行っている。今年度6回にわたって実施してきた春草のシリーズ展示の最終回。絵画10点と書簡や写真などの資料を並べ、春草晩年の装飾的画風について紹介している。

 

 春草は1904、05(明治37、38)年の欧米留学を経て空間表現を重視する朦朧体から離れていき、当時流行していた琳派の画風を取り入れながら、色彩と構成をポイントとした装飾的・デザイン的画風に変わっていった。

 

 双幅の「春秋」(1910年)は、右幅にはヤツデの下にたたずむイタチを、左幅にはカエデの枝にとまるアオバトの姿を描き、それぞれ春と秋を象徴。背景を省略し、生物は没線で写実的に、植物には輪郭線を用いて装飾的に表現。西洋の写実性と日本の装飾性を調和させた。同年の第4回文展に出品した「黒き猫」にも共通した描法を用いている。

 

 最晩年の作品「菊」(11年)には金地の背景に濃彩でキクが描かれ、輪郭線を用いない「つけたて」や複数の色彩をにじませる「たらしこみ」、境界線を塗り残す「ほりぬり」といった琳派特有の技法が取り入れられている。

 

 会場には、制作過程がうかがえる未完の「雪中鴨」(09年頃)と「萩と芙蓉」(同)、日本美術院の下村観山と木村武山の作品、春草が亡くなる前月に兄・為吉へ送った病状を知らせる書簡なども展示。併設する「飯田の美術」コーナーでは、花鳥画をテーマに同館所蔵の5点を並べている。

 

 来年度の春草コレクション展示は、画題ごとに6回にわたって開催。第1回は4月6日から、山水をテーマに展示する。

 

 開館は午前9時半から午後5時(入館は同4時半)まで。月曜休館。観覧料は一般310円、高校生200円、小中学生100円。20人以上は団体料金。問い合わせは同館(電話0265・22・8118)へ。

  

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