美博で菱田春草作品常設展示

文化・芸能

[ 2017年 9月 30日 土曜日 14時28分 ]

003syusou

 飯田市追手町の市美術博物館で9月30日、飯田市仲ノ町出身の日本画家、菱田春草(1874―1911)作品の常設展示が始まった。「菊慈童」をはじめ、遺族から寄贈された未完制作品や購入予定作品、関連資料など25点を展示。初日にはセレモニーを開いて開始を祝った。

 同館では春草作品の数が30点と少なく、作品保護の面から一年を通して展示ができなかったが、近年に春草の遺族から未完作や下絵、スケッチなど300点以上をまとまって寄贈・寄託されたことから、従来の作品や資料とあわせて通年での展示が可能に。

 市制施行80周年記念事業の一環として、同館菱田春草記念室で常設展示を始めることを決めた。

 また展示開始にあわせ、春草の「鎌倉時代闘牛の図」と「水辺初夏(鷺)」、日本美術院の盟友・下村観山の日本画「稚児文殊」の購入を決定。いずれも今年度の常設展示で順次紹介する。

 オープニングセレモニーには、春草の孫・笹本千草さん(東京都)や、顕彰・普及活動に取り組む春草会、地元美術団体など、関係者約30人が出席した。

 牧野光朗市長は、常設展示実現に尽力した関係者に感謝を述べ「皆さんの努力で実現させることができた。春草の作品と生涯をさまざまな角度から紹介し、全国、世界に発信したい。今後も作品や資料の充実を進め、飯田を春草研究の拠点にできれば」とあいさつ。

 春草の未完成作品や下絵、スケッチなどを同館に寄贈・寄託した笹本さんに感謝状を贈呈した。

 笹本さんは「祖父が命と魂を注いだ画業を愛してくださり感謝。自分でも、祖父が残したものを可能な限り研究したい」と語った。

 セレモニーに続いて、滝沢具幸館長と小島淳学芸員が会場で展示解説。朦朧体の代表作「菊慈童」をはじめ、寄贈された「月下の雁」や人物画の未完作、春草の生涯を伝える年譜や書簡などの資料を紹介した。

 購入予定の「水辺初夏(鷺)」は、朦朧体からデザイン性の強い作風への転換期に制作。滝沢館長は「丘の水辺に生える柳の木を描いたものでは」とし、茨城県の五浦(いずら)の風景を題材にした可能性を指摘していた。

 第1期は今月29日まで。開館は午前9時半から午5時(入館は同4時半)まで。月曜(祝日の場合開館)と祝日の翌日は休館。観覧料は一般310円、高校生200円、小中学生100円。20人以上は団体料金。

 本年度の常設展示は来年4月まで、4期に分けて実施。11月3日~12月3日までの第2期には、春草の遺族から寄贈された「黒き猫」と「八ツ手」の未完作などを並べる予定。問い合わせは同館(電話0265・22・8118)へ。

  

関連の注目記事

powered by weblio


  
        


南信州新聞公式アカウント
@minamishinshu







webで電子版「南信州」を購読

南信州オンラインブックストア
新刊情報



平成二十六年丙申歳 飯田お練りまつり
著:飯田お練りまつり奉賛会編
 出版社:南信州新聞社出版局

連載記事
南信州飯田観光ガイド2016秋・冬号