美博物館で春草コレクション展 朦朧体改良の試み

文化・芸能

[ 2014年 6月 10日 火曜日 12時44分 ]

 飯田市追手町の市美術博物館は15日まで、市内出身の日本画家・菱田春草のコレクション展示「春草に親しむ2―霊昭女―」を行っている。「霊昭女」(1902)をメーンに、朦朧体の改良を試みた時期の日本画や同じ日本美術院の画家たちの作品、資料など約20点を展示している。

 11月まで4期に渡って実施する春草のシリーズ展示の第2回。朦朧体初期の作品を扱った第1回に続いて今展では、朦朧体の色彩の濁りを改善し、画面を明瞭化するために春草が行った取り組みを紹介。春草作品の中でも人気が高く、今秋に東京国立近代美術館で開催される「菱田春草展」に貸し出す「霊昭女」や「鹿」(03)、「夕の森」(04)も並べている。

 春草は西洋絵画の表現法を取り入れようと、画面をぼかすことで空間の表現を試みたが、色を重ねたことで濁りが生じ「朦朧体」と批判を受けたため、ぼかしに用いる色彩を単色に改めて色彩の純化を図った。春の朝の風情を描いた「春暁」(02)では、画面手前の土手や背景の空間に単色のグラデーションを施している。同時に、画面にリアリティーを導入しようと写実表現を取り入れ、「霊昭女」や「鹿」を描いた。

 ヨーロッパに遊学して印象派などに触れると、色彩を重視した画風を展開。江戸琳派などを参考に繊細な筆致と鮮やかな色彩で描写した「花あやめ」(05)や、澄んだ茜色の空が広がる「帰樵」(06)を制作している。

 会場には、日本美術院の横山大観や西郷孤月、木村武山の作品も。春草や妻の千代が家族に宛てた手紙などの資料も展示している。

 次回は8月30日から9月28日まで、「蓬莱山」をメーンとした展示を行う。

 開館は午前9時半から午後5時(入館は同4時半)まで。月曜と祝日の翌日は休館。観覧料は一般310円、高校生200円、小中学生100円。20人以上は団体料金。

 同館では6月から8月までの全3回、春草作品について学ぶ「春草講座」を開く。第1回は6月11日午後6時から、「水鏡」と「菊慈童」を取り上げる。受講無料、事前申し込み不要。問い合わせは同館(電話22・8118)へ。

  

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