60歳以上が出演し運営まで手がける「華齢なる音楽祭」(同実行委員会主催)は15日、飯田市鼎中平の鼎文化センターで開かれた。補助金を受けない自立運営となった第7回も大勢が来場し、会場は満席。昨年に続き「世代継承」をキーワードにした孫世代との共演ステージなどを披露し、円熟した華麗なる音楽パワーで観客を魅了した。
長寿県として注目される長野県の高齢者が、音楽を通じて地域文化の重要な担い手であることを再認識するとともに、若い世代に大きな夢と可能性を感じてもらいたいと、高齢化社会を前向きにとらえた催しとして2013年にスタート。
今年は公的な補助金を受けずに自分たちの手で開催する初年度となったが、開場と同時に大勢の観客が来場した。
オープニングを飾ったのは、同市山本の牛山太鼓道場「命響館」に所属するシルバーチーム「結響(ゆうき)」。同道場の親子教室「しんきろう」との世代を超えた共演でステージを盛り上げた。
15の団体が合唱やフラダンス、ハーモニカ、アコーディオン、ギター、太鼓、ピアノなどのグループで童謡唱歌、民謡、クラシックやJポップなど多彩なステージを披露。それぞれ工夫を凝らした演出に、会場から大きな拍手が上がった。
フィナーレは会場内の全員が出演者となり、長野県歌「信濃の国」を大合唱。会場にエネルギーあふれる歌声が響きわたった。
運営には地元の高校生や東京の大学院生も協力し、準備から当日まで世代を超えて交流を深めた。
福島茂喜実行委員長は、音楽を通して培う心身の活性化が高齢化社会の諸課題解決に一石を投じることを期待し、同音楽祭を「世代継承を具現する貴重な財産」と述べた。
◎写真説明:太鼓演奏で幕を開けた華齢なる音楽祭