菱田春草「虎ノ図」を美博へ寄託

文化・芸能

[ 2011年 12月 14日 水曜日 16時50分 ]

 飯田市出身の日本画家・菱田春草(1874―1911)の作品と鑑定された六曲一隻屏風「虎ノ図」がこのほど、同市追手町の市美術博物館に寄託された。同作を所蔵する下伊那郡内在住の男性の意向を受け、春草研究の資料として活用される。11日に同館が開いた会見で、寄託の経緯と作品の内容について発表された。

 古木、あるいは岩の上から、いまにもとび出そうとするたけだけしい虎の姿を墨だけで表現した作品。虎はその威厳によって風を起こす―という中国の伝承にのっとり、強い風になびく竹が描かれている。

 姉・きわの嫁ぎ先である吉川家の伝承や同館で所蔵する資料などから、東京美術学校在学中の1893(明治26)年ころ、夏休みに帰省した際に吉川家で制作したと考えられている。

 同館の滝沢具幸館長は「牧谿や長谷川等伯などの古典によくある様式。伝統的様式を勉強する上で、こういった絵を描くことがあると思う。模写ではなく一発描きの印象を受ける」と話した。

 同作は吉川家から他家を経て、2000年ころに現在の所蔵者へゆずられた。所蔵する男性は「飯田の地に残して研究を」との思いからことし11月、同館へ寄託を打診した。

 同作には落款や印章が見られないが、春草の妻・千代が1939(昭和14)年に作成した鑑定書と、長男の春夫による箱書が存在する。またこのほど、東京美術倶楽部鑑定委員会によって春草の作として鑑定された。

 同館では作品内容や鑑定結果などから申請を受諾。12月2日の監査会議で決定され、2014年3月まで寄託することになった。

 滝沢館長は「大変なものをお預かりすることになり、緊張している」とし、春草修学時代の作品として調査を進める意向。また来年4月以降での展示を予定している。

  

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