遠山の霜月祭りが開幕

文化・芸能

[ 2010年 12月 3日 金曜日 10時01分 ]

 飯田市上村、南信濃に伝わる国重要無形民俗文化財の湯立て神楽「遠山の霜月祭り」が1日、南信濃八日市場の日月神社を皮切りに幕を開けた。氏子と多数の観光客が湯釜を囲み、生命力の再生を祈るとされる湯立て神楽を終日、興じた。15日の南信濃八重河内、正八幡社まで、ことしは9カ所で繰り広げられる。

 八百万(やおよろず)の神々を招き、願い事をするための神事を行った後、2つの釜を囲んで男性たちが「たすきの舞」などの装束舞を披露。午後9時ごろに「火の王」とも呼ばれる祭りの主役、大天狗が登場して最大の見せ場となる「湯切り」を迎えた。

 掛け声に乗り、大天狗が煮えたぎる釜に素手を入れる。邪気を払うように湯を飛び散らせる。その瞬間、白煙が立ち上り、詰め掛けた氏子衆や見物客からは歓声が上がった。

 続いて同社が祭る日月大神の黄金の面(おもて)や伝統のキツネなど、25に及ぶさまざまな面を着けた神々が姿を現し、笛や太鼓のはやしに合わせて舞った。

 盛り上がりが最高潮に達すると面や氏子衆が集団に飛び込んだり、円陣を組んだり。氏子と聴衆が一つになって「ヨーセー」の掛け声を上げ、静寂の遠山谷に響きわたらせた。

 鎌倉時代に伝えられた宮廷の湯立て神楽に、かつて遠山郷を支配した領主で一揆によって滅びたとされる遠山土佐守一族の死霊を慰める鎮魂の儀式が後に伝わり、独自の形式で伝承されている。

 「霜月」の名称は陰暦11月に行われることに由来しており、年間を通じて最も日照時間が短くなる時期に神々を招いて祈りを捧げることで、「万物に再び生命力がよみがえる」と信じられている。

  

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