鉞激しく火の粉散る 天龍村「坂部の冬祭り」 国重文の湯立て神楽

文化・芸能

[ 2018年 1月 5日 金曜日 16時47分 ]

鉞を松明にぶつけ、火の粉を散らす「たい切り面」

 天龍村坂部地区の大森山諏訪神社で4日夕から5日昼にかけ、国重要無形民俗文化財の湯立て神楽「坂部の冬祭り」が行われた。厳寒の中で夜通し繰り広げられる神事に、詰め掛けた観衆らが白い息を吐きながら熱い視線を注いだ。

 600年続く集落行事は、3日の「向方のお潔め祭り」、5日の「大河内池大社例祭」を含めた天龍村霜月祭りの1つ。旧神原村の3社で旧暦の霜月(11月)に行われていた湯立て神楽で、原型をほぼとどめた状態で現在まで伝承されている。

 今年も天竜川の水で身を清めた舞い手の「神子」たちが、4日夕に神々を下の森(火王社)から同社へ運ぶ「お練り」で幕開け。社殿内の舞堂(まいどう)で翌朝まで剣や鈴を使った装飾舞や湯立てを繰り広げた。

 夜空が白み始めた5日午前6時過ぎ、「たい切り面」を着けた赤鬼が登場すると祭りは最高潮に。囃子に合わせてドン、ドンと両足で地を踏み鳴らし、燃えさかる松明に鉞(まさかり)を激しくぶつけて火の粉を飛び散らした。

 同地区の旧家・熊谷家当主の直吉の夢占いをきっかけに、室町時代の1428年(正長元年)に始まったとされる祭り。昨年9月に氏子総代長だった関福盛(よしもり)さんが亡くなり、今年は地元に住む氏子総代の4人が中心となって祭りを進めた。

 坂部地区は現在11戸17人が暮らすが、祭りに合わせて帰省する若手出身者も多く、氏子総代の平松雅隆さん(68)は「祭りが生活の一部であり、やらないということは考えない。長老が亡くなって難しい部分はあったが、この冬祭りから1年をスタートさせたい」と話した。

  

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