阿南町東条の県選択無形民俗文化財、深見の祇園祭り(深見諏訪社津島社両氏子・松澤史武氏子総代長、深見壮年会・小原悠司会長)が23日、深見の池を舞台に開かれた。国内でも珍しい湖上に浮かべた筏(いかだ)の上で神事が執り行われ、池の周囲3カ所から次々と打ち上がる2000発の花火が集まった観客を魅了した。
天然湖である同池を舞台に繰り広げられる祇園まつり。諏訪神社の宵祭り後、津島様がみこしに移され、祇園囃子を奏でながら行列が深見池まで進むと、湖上に浮かべた6メートルの筏に乗り込んで神事が営まれた。
玉串や大幣を流して厄病退散を祈願すると、花火の打ち上げを開始。湖上から打ち上げ、轟音とともに半円状に広がる「大水中花火」や、池の上に100メートルのワイヤーを張ってロケットのように花火が湖上を駆け抜ける「綱火」など迫力満点の仕掛け花火に、集まった観衆は歓声と拍手を送った。
祭りの行列が神社に戻ると、大三国の櫓(やぐら)に仕込んである花火に点灯。火の粉を浴びながら勇壮にきおいまわった。松澤氏子総代長は「心配した天候にも恵まれ、いい花火大会になった」と振り返った。