阿智村清内路の上清内路諏訪神社で6日、300年の伝統を誇る県無形民俗文化財の手づくり煙火が奉納された。星空の下、煙火同志会が準備を重ねてきた大仕掛け花火などが奉納され、訪れた氏子や遠方からの観客を沸かせた。
花火製造資格を持つ上清内路煙火同志会が7月の寄付集めから、炭焼き、火薬作り、仕掛け作りなど3カ月間かけて準備を重ねてきた。
火薬の配分や製造法も秘伝とされる青紫色の幻想的な光が魅力的な「ブドウ棚」を皮切りに、2020年の東京五輪マスコットキャラクター「ミライトワ」「ソメイティ」を描いた大きな車輪が回転する「大巴車(シャクマ)」、木人形が綱を一輪車で移動する「ピノキオ」などの仕掛けが点火された。
この日、同志会が用意した手作りの仕掛け花火14種類。幅170メートルの谷を突き抜ける蝶の綱火や大迫力の大棚火は会場の度肝を抜き、拍手と歓声が上がった。阿智村に住む親戚の誘いを受け、家族3人で見物に訪れた埼玉県久喜市の男性(48)は「手作りの仕掛け花火は初めて見たがとても良かった。特に綱火が迫力があって気に入った」と話した。
この他にも愛知県豊橋市の団体が手筒花火を披露。伝統の大三国は点火のトラブルで中止になった。
同志会の櫻井信和会長は「大三国の点火がうまくいかず中止になってしまったのは残念だったが、仕掛け花火ではたくさんの歓声や拍手をもらえた。今年も多くの皆さんに喜んでもらえたのでは」と話していた。
下清内路諏訪神社・建神社の奉納煙火は12日に開催する。
◎写真説明:上清内路の奉納煙火