愛宕稲荷神社(飯田市愛宕町)の秋季祭典が5日に行われた。新型コロナウイルスの影響で恒例のきおいは中止としたが、奉納煙火は規模を縮小して実施。スターマインなどが雨間(あまあい)の夜空を鮮やかに彩った。
「地域を勇気付けたい」という意向で上げた煙火は、自主的な寄付が2件あり、氏子8カ町の負担金でまかなった24発と関島煙火提供のスターマインに、階段一斉打ちと階段打ちが加わり、当初の予定より豪華になった。
このため年番町の扇町は、手作りの番付け表を作って配り、当日に備えた。
同神社の秋季祭典は伝統的に雨の日が多く、飯田盆踊り唄の上位入選歌から引用した「愛宕濡れ旗」のフレーズが広く知られている。
今年は言い伝え通り雨に見舞われ、警護にあたった氏子たちは「やはり濡れ旗だ」と笑顔で話したが、打ち上げの15分間はピタリと止み、大輪の花が愛宕の杜を照らした。
年番長の大橋一太さん(73)は「コロナ対策は例年にないことなので逆に大変だったが、無事に終わって何より。花火は寄付を集めずにあそこまでやれて良かった」と関係者に感謝した。
◎写真説明:愛宕稲荷の奉納煙火