高森町の小林さんが歌会始で佳作

文化・芸能

[ 2020年 1月 16日 木曜日 15時27分 ]

 「歌会始の儀」が16日、皇居で行われた。飯田下伊那地域では、高森町牛牧の小林邦子さん(78)の歌「もう一度裸足で水田に入りたい七十八歳の小さな望み」が、国内外から寄せられた1万5324首から、入選10首に次ぐ佳作に選ばれた。

 天皇陛下の代替わりに伴う、令和初めての歌会始の題は「望」で、18カ国・地域から詠進があった。

 小林さんは子育てが一段落した約30年前、夫の正人さん(82)が歌を学んでいたことをきっかけに、短歌に取り組み始めた。

 正人さんの指導者で、歌会始に入選経験のある同町の下平貞夫さんが立ち上げた瀧里歌会や、本社主催の南信州短歌教室にも参加し、研さんを積む。短歌結社「潮音」同人。

 2005年頃から毎年、天皇陛下への年賀状として歌会始に詠進。今回の「望」では10首ほど作り、締め切り直前に仕上げた歌で初めて佳作に選ばれた。

 作品は、子どもの時に米作りを手伝って汗を流した思い出や、結婚後に正人さんと取り組んだ農作業の体験をもとに制作。「今は右足が不自由になり、昔やった田植えが懐かしく思い出される。できればまたやりたいという思いを込めた」と語った。

 「つかみづらいお題だったので、詠むのに苦労した。短歌教室や町内で、入選や佳作に選ばれた人が多いので、そういう人たちから刺激をもらって取り組んでいるが、高嶺の花だと思っていたので佳作になってびっくり」と振り返った。

 正人さんも歌会始に詠進しており、1993年に入選、2008、10年には佳作に。正人さんの弟の勝人さん(飯田市上郷黒田)も07年に佳作、12年に入選している。

 正人さんは「家族で選ばれたのは驚いた。高森は江戸時代から歌が盛んな所で、歌会や教室などでも皆さんが応援してくださっているので、感謝。多くの人に歌を詠んでもらい、こういった喜びを味わってもらえたら」と語った。

 小林さんは普段、自身の生活や近所に住む孫など、身の回りのことを題材に取り上げている。

 短歌教室講師で、15年の歌会始に入選した木下瑜美子さん(77)=飯田市上郷黒田=は、小林さんの作品について「身近なことを素直に詠む人なので、読者の共感を呼ぶのでは」と評した。

 小林さんは「その時々にあったことを詠んでいるので、歌は自分の記録のようなもの。これからも身近なことを取り上げて、誰にとっても分かりやすい言葉で詠んでいきたい」と話していた。

 今回を含め、飯田下伊那地域の歌会始入選者は7人、佳作者は4人。このうち南信州短歌教室の入選・佳作者は7人となった。

◎写真説明:歌会始で佳作に選ばれた小林さん

  

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