黒田人形浄瑠璃の奉納公演

文化・芸能

[ 2011年 4月 12日 火曜日 15時20分 ]

 国選択重要無形民俗文化財「黒田人形浄瑠璃」の奉納公演が9、10日の両日、飯田市上郷黒田の下黒田諏訪神社春祭りで行われた。ことしは東日本大震災を受け、下黒田区の五穀豊穣と繁栄を祈願するとともに、被災地の早期復興への願いも込め開催された。

 黒田人形浄瑠璃は元禄年間に始まったとされ、約300年の歴史を持つ。人形を操る人形遣い、浄瑠璃を語る太夫、伴奏する三味線が三位一体となり、人形に「命」を吹き込む伝統芸能だ。地元住民らでつくる保存会がその伝統を受け継ぎ、定期的なけいこや公演のほか、高陵中学校黒田人形部の指導なども行っている。

 宵祭りの9日、同神社境内に建つ国指定重要有形民俗文化財「黒田人形専用舞台」を使う年に一度の上演を見ようと、県内外から多くの観客が訪れ、人形と舞台が織りなす伝統美に酔いしれた。ライトアップされた舞台が闇夜に浮かび上がる幻想的な雰囲気の中、「寿式三番叟(さんばそう)」「傾城阿波の鳴門(順礼歌の段)」「増補忠臣蔵(本蔵下邸の段)」を熱演。人形の指先にまで神経が行き届き、情感がこもった物憂げな動きなど、さまざまな姿を見せる人形に、境内を埋め尽くした観客からは「いいぞ、日本一」といった歓声やおひねりが飛び交った。

 10日の本祭には高陵中学校黒田人形部の生徒も出演。練習の成果を生かし、滑らかな動きで人形を操り「生写朝顔日記(宿屋の段)」を見事に演じきると、観客から大きな拍手が送られた。また、宵祭開演前には、愛知県在住の画家、倉知紀子さん(70)より、同公演の様子を描いた120号の油絵「祭りのはじまり」が飯田市に寄贈された。倉知さんは十数年前同公演を鑑賞した際、人形の素朴さや舞台の素晴らしさに感動し、筆をとったという。作品は黒田人形浄瑠璃伝承館に展示される。

  

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