最後の展覧会華やかに 12月閉館の中電ギャラリー

文化・芸能

[ 2014年 11月 28日 金曜日 12時04分 ]

 12月の閉館が決まっている飯田市吾妻町の中電ふれあいギャラリーで、最後の展覧会が同月2日まで開かれている。“独創無手勝流家元”を名乗る飯田市滝の沢の長沼紙郎(本名・久夫)さんが「謝恩お名残り舞台」と題して、創作人生60年の集大成といえる自作の押絵羽子板、歌舞伎人形などを会場いっぱいに展示している。

 長沼さんは芸所飯田の情緒が色濃かった馬場町に生まれ、扇町にあった大松座で母親と歌舞伎を見たことがきっかけで「美しくはかないもの」(長沼さん)に心を引かれるようになり、10代から歌舞伎の舞台写真や浮世絵などを参考に、自己流の作品を作るようになった。

 過去に3回ほど個展を開いた同ギャラリーには思い入れがあり、今展は予定されていた展覧会がキャンセルになったと知って「できるだけ華やかな雰囲気にして千秋楽を飾りたい」と開催。「傾城」と題したおいらんなどの人形36体、江戸の粋な雰囲気が漂う押絵羽子板25点、美人画を中心とした押絵を展示している。

 長沼さんは「最終回は望んでもできないが、よい機会を与えてもらえた。閉館は残念だけれど、最後にふさわしい華やかな雰囲気にしたつもり」と笑顔で話した。

 来場者は「どれも素晴らしくて見入ってしまう」と話しながら、美しさにこだわった作品の数々をじっくりと鑑賞している。

 同ギャラリーは1974(昭和49)年8月に開設。地元のグループ、個人に1週間ずつ無料で貸し出していたが、コスト削減策の一環として閉鎖されることになった。年末の恒例だった歳末チャリティー展は行わない。

  

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