「伊那谷アグリイノベーション」設立に向けシンポ

南信州経済

[ 2012年 12月 20日 木曜日 15時17分 ]

 信州大学農学部を中心に南信地域の行政や企業、経済団体などが連携し、農林業を軸とした産業振興を目指す「伊那谷アグリイノベーション推進機構」の設立準備会は18日、飯田女子短期大学で第2回シンポジウムを開催した。関係者ら約280人が参加。講演やパネルディスカッションを通じ、目標とする来年の機構設立に向け、将来ビジョンを共有するとともに、クリアすべき課題や地域の現状について理解を深めた。

 同機構は、信大農学部が蓄積してきたさまざまな「シーズ」を企業や各種団体の「ニーズ」と結びつけ、産学官連携の取り組みを強化することで、地域のグローカル化をけん引する役割を担う。また、伊那谷を一つの運命共同体としてとらえ、「農」を基盤に地域の豊かさを発掘、発信するインキュベーションセンターとなることを目指す。この日、同機構の趣旨説明を行った信大農学部の中村宗一郎学部長は、「農業が元気になれば地域も産業も元気になる。大学の持てる力を十二分に発揮し、伊那谷を農を中心とした学術研究都市にしたい」と力を込めた。

 また、同機構および信大への期待について、下伊那地方事務所の石田訓教所長は「地域の特性に着目した上で生産品、加工品に付加価値を高める手立てを考えてほしい。林業の再生や医療と農業の連携にも期待している」と、上伊那地方事務所の青木一男所長は「大学と民間とをつなぐ専門窓口が必要。企業や行政の要望にワンストップで対応できる体制を構築して」と、それぞれ語った。

 今回のシンポジウムは、「南信州・飯田メディカルバイオクラスター構想」のキックオフも兼ねて開催された。同構想を提唱する多摩川精機の萩本範文社長は、「飯田下伊那地域では、伊那谷アグリイノベーション推進機構の一つの房として、メディカルバイオクラスター構想を立ち上げた」と説明。「産業は回り舞台。既存の産業にこだわり続けていては、新しい時代を開くことができない。新しい産業に視点を動かす勇気が必要」とし、「新しい産業を創造するキーワードとして『アグリ』は有効。『メディカル』も含め、クラスターによる具体的な取り組みを推進していきたい」と語った。

 同クラスターでは、健康長寿社会を支える地域産業の創造を目的に、医工、医農、農工連携を通じ、テーマ別分科会・研究会の創設、製品開発、販路開拓、人材育成などに取り組んでいくという。

  

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