「柚餅子」作り後世に 天龍村で体験ツアーを初企画

南信州経済

[ 2018年 11月 28日 水曜日 16時14分 ]

関さん(左)を指導者に柚餅子作りを再確認するNPO法人のメンバーら

 天龍村神原坂部地区に脈々と伝わる保存食「柚餅子(ゆべし)」を後世に残そうと、村地域おこし協力隊のOB、OGらでつくるNPO法人「TSUMEMOGAKI(ツメモガキ)」が12月8~9日に体験ツアーを企画した。当日に備え、27日は柚餅子作りを40年以上にわたり守り続けてきた地元の関京子さん(83)がメンバーたちに指導した。

 柚餅子作りは、地区に残る食文化の継承と地元の女性たちの仕事場づくりを目的に、1975(昭和50)年に村柚餅子生産者組合を発足して本格的な生産加工に着手した。

 ピーク時は年1万個以上を出荷していたものの、近年は集落人口の減少や高齢化が進み、また昨秋、関さんを長年支えてきた夫の福盛(よしもり)さんが86歳で死去したことで組合を解散。出荷も取りやめている。

 企画した1泊2日のツアーは、600年間継承する国重要無形民俗文化財「坂部の冬祭り」も合わせ、地区の食文化や思いを発信。夜は食事をしながら地区住民と交流し、2日目は冬祭りの大森山諏訪神社に足を運ぶ。

 当日のスムーズな進行を目指して、この日は同法人の若手メンバーらがツアー会場となる活性化施設「夢工房 左閑辺屋(さかんべや)」で柚餅子作りの手順を確認した。関さんに教わりながら120グラムほどのユズ約40個を8対2の割合で輪切りにし、果肉をくり抜き、みそやクルミ、砂糖を入れてあめ色になるまで約3時間ほど蒸した。

 実際は3~4カ月間もみの作業を重ねながら干し、熟成が終わる春を待って完成するが、ツアーでは蒸した状態の柚餅子を土産として持ち帰る。

 同法人代表の村沢雄大さん(31)は「11戸、14人の地区で人がたくましく生き、食文化と神様事が根強く残っていることを知ってもらうきっかけになれば」、関さんは「何とか残したいという思いの中で、若者の頑張りがありがたい」と語った。

 ツアーはJR飯田線平岡駅に集合、現地集合も可能。初日夜から2日目昼まで食事付きで夢工房 左閑辺屋に宿泊する。参加費は1万5000円。初日の柚餅子作りのみにも対応する。申し込みは12月2日までに同法人(電話090・1629・8794)へ。

  

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