「現状維持」が8割に上る 伝統野菜の生産者らが情報交換会

南信州経済

[ 2017年 3月 15日 水曜日 15時37分 ]

下伊那伝統野菜情報交換会

 飯田下伊那地域の伝統野菜の生産者と支援組織・機関が一堂に会する「下伊那伝統野菜情報交換会」(飯伊農業振興協議会主催)が14日、飯田市追手町の県飯田合同庁舎で開かれた。県内で選定されている75種類の伝統野菜のうち24種類が飯伊地域で栽培されている。伝統野菜の生産から販売までの課題整理を行い、その解決に向けた方向性を探ろうと開催した。

 関係者ら約40人が参加。イオンリテール東海・長野カンパニー食品商品部の担当者から「伝統野菜への取組と課題について」の講演、特定非営利活動法人だいちの活動紹介「源助かぶ菜収穫体験企画を振り返って」を聞き、最後に情報交換を行った。

 下伊那地方事務所農政課が行った「飯伊地域の伝統野菜に関する意向調査」の結果によると、伝統野菜に取り組む狙いは「種の保存のため」と「地域の活性化を図るため」が各44%と多い。今後の生産についての意向は「担い手不足のなかで、県内外の応援隊の協力を得て、連作障害に気をつけながら現状を維持する」が8割に上る。

 生産拡大の具体的な方法としては、「生産農家を増やす」「面積を拡大する」が各40%、「加工原材料として活用する」が20%。いずれの方法をとるにせよ▽高齢化対策▽労力・後継者不足▽遊休農地活用▽鳥獣害対策▽連作障害対策―を課題に挙げている。

 講演を聞いた阿南町の和合元気なむらづくり協議会の女性は「鈴ケ沢なすを生産しているが、規格外がたくさん出る。なすの加工商品を開発する手法は」と質問。講師は「スーパーの加工品売り場を見るのが一番いいのでは。どんな商品をどんな場所でどれだけ広げているかでどのぐらい売れるか判断できる」とアドバイスした。県の6次産業化アドバイザーにも相談できる。

 飯田市の千代ネギの会の男性は「6年ぐらい種を統一する取り組みを進めてきた。そろそろ市場に出したいが、生産が間に合うか、本当に売れるかひとつの岐路に立っている」と相談。講師は「伝統野菜を全国へ持っていってもおそらく売れない。まず地元で食べてもらうことから始めていけばいい」と助言した。

 情報交換では、参加団体から「販路は困っていないが、後継者が不足している」(親田辛味大根生産者組合)、「生産農家(現在6軒)を増やしていきたい。遊休農地の活用と連作障害を考え、兼業農家の収入になれば」(下條にんにく生産者組合)、「高齢化で生産者が減っており、Iターンに期待したい。昨年はサルにだいぶやられた」(清内路伝統野菜保存会)

 「平成19年度に伝統野菜に認定され、共同で種芋を作るのに5年間かかった。需要は増えているが、傾斜地で機械が使えず、高齢化で増産できない。年間6万人の観光客がある。地元で味わってもらうことを基本に、自分たちでできることを無理しないでやりたい」(下栗里の会)などの発言があった。

  

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