花火製造・販売・打ち上げのアルプス煙火工業(飯田市立石)は13日から、クラウドファンディングで資金を募って全国各地で花火を打ち上げる「『元気玉』花火プロジェクト」を始める。新型コロナウイルスの影響で夏イベント中止が相次いで発表される中「少しでいいので元気を分けてもらい、みんなが楽しめる機会をつくりたい」と、同日から協力を呼び掛ける準備を進めている。
同社が花火の打ち上げを担ってきた恒例の祭りに加え、コンサートや小規模イベントなど、ほぼ全ての夏の催しが中止となっているが「何もない夏はさみしい」と企画。同社と全国の同業者が受け継いできた伝統の技術と職人を守ることも目的としている。
花火は誘客を目的とせず、その地域住民だけが楽しめるよう、人が密集しない状況で打ち上げる予定。寄付は1000円から10万円まで募り、最初の目標とする150万円に到達したら、まずは地元の1カ所で打ち上げる。
以降、150万円に達するごとに他地域の打ち上げ費用に充てる。
5月5日のボランティア花火、今月1日に全国の同業者と一斉に打ち上げた花火には「つらい時期に花火を見られてうれしかった」という声が寄せられた。
同社常務の堀部敦さん(42)は「今はみんなが苦しい時期だから、ほんのちょっとでいい。分けてもらった元気を『元気玉』にして打ち上げ、皆さんに楽しんでもらいたい」と話している。
クラウドファンディングによる資金の募集は13日正午からCFサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で始め、寄付者特典などの詳細は同時に発表する。
◎写真説明:打ち上げを待つ花火玉