盆の花飾りにするホオズキの出荷が飯田下伊那地域で最盛期を迎えている。春先の低温など天候不順の影響があったものの、色づきや実の大きさは上々という。中京圏を主に盆前まで出荷する。
退職後に花き栽培を本格化し、妻と二人三脚で育てている飯田市座光寺の横前章人さんのほ場でも、出荷のピークを迎えている。
3アールの畑に立ち並ぶ幹からは、オレンジ色に輝く直径6センチほどのホオズキがいくつも垂れ、出荷を待つ状態。横前さんは色づき具合などを確認しながら、一本いっぽん根元から丁寧に切り取り、束にしてそろえた。
春先に寒暖の差が激しかったことから発育不足が生じたり、4月下旬の乾燥で水やりが必要になったり、奇形の実ができるなど、「例年に比べて苦労が多いシーズンだった」と横前さん。大型連休以降は天候も順調に推移したため、「色づき、大きさとも前年並みになった」と安どの表情を浮かべた。
JAみなみ信州によると、飯伊では同市や喬木、根羽村などの80件が計240アールのほ場でホオズキを栽培し、主に中京や関西圏に出荷している。
飯伊産は質が高く、同JAは1億円規模の産地化を目指し、苗木導入支援などを通じて生産振興を図っている。今季は枝16万本、実41万個を生産する計画だ。
飯伊では一般的ではないものの、中京圏などでは盆にホオズキを盆ちょうちんに見立てて飾る風習がある。