リニア実験線 乗車体験レポート「42・8キロをわずか9分」 

南信州経済

[ 2013年 8月 31日 土曜日 13時17分 ]

リニア試乗会 29日に再開した山梨リニア実験線の走行試験。同日午後には報道陣の試乗取材が公開され、本紙は2人が乗車を体験した。

 

 実験線延伸に伴い、新設されたビルの3階にある待合スペースで待機した後、同エリアにある試験用の乗降口から乗車した。

 

 「屋根と壁で覆われているこの部屋から、中間駅をイメージしてほしい」。JR東海がこう説明した部屋は、リニア車両に隣接して延びる長方形の空間。座席が設置されているが、待合室というよりはホームのイメージで、2つの試験用乗降ゲートを備えていた。

 

 すぐ横を通過する車両から磁気や風を防ぐため、鉄板が入った厚い壁で覆っている。

 

 車両が停まると飛行機の搭乗ゲートに似た乗降スペースが延びて車両に接続。両開きの自動ドアが開き、1・5メートル程歩いて車両に乗り込んだ。

 

 座席は両側2席ずつ、17列あり、定員は68人。シートに豪華さはないが、新幹線と同様にテーブルやドリンクホルダーなどが備えられている。

 

 座席の間隔は前後が新幹線より狭く、横幅がわずかに広いというが、バス移動に慣れているせいか、窮屈さは感じなかった。

 

 説明を受けているうちに車両が発車。上野原市にある東端に到着すると、時速500キロ走行が始まった。

 時速140キロを超えたあたりで、ゴム製の補助タイヤが上がり、浮上走行に移行。振動や騒音がわずかに減って浮いた気もしたが、案内がなければ分からないほど円滑だった。

 

 新幹線の最高速度300キロをあっさり超え、およそ3分で500キロに到達。車内の電光掲示板は最高で505キロを示した。

 

 400キロを超えた辺りから、揺れや風切り音が大きくなったが、新幹線と同じぐらいか、わずかに大きいほどか。カメラを持って車内を歩いたが、大きな支障はなかった。

 

 90秒ほどで減速し始め、9分ほどで西の端、笛吹市に到着した。

 乗車中、目に入った景色のほとんどはトンネルの壁。一定間隔に設置された蛍光灯の間が少しずつ短くなったように見え、最後は一本の光の線になった。

 

 わずかにある明かり区間では、目の前の景色がものすごいスピードで横切る。この日は雲に覆われていたが、実験センター付近の明かり区間では2秒ほど富士山を見ることができる。開業後も富士山が見られるのはこの区間だけだという。

 

 延伸工事前の乗車に比べ、500キロ走行の時間が長くなったせいか、下車後はそれなりの乗車感があった。

 

 すでに営業されている最高時速430キロの上海リニア(総延長約30キロ)に比べると、方式や浮上の高さが異なるせいか、不自然な揺れや力が働かず、乗り心地は快適だと感じた。実験線には営業線で想定している40‰(パーミル)の最急勾配や8000メートルの最小曲線半径が設けられているが、感じることはできなかった。

 

 30分程で1・5往復、約100キロを走った。飯田の中間駅から名古屋のターミナル駅に到達できるほどの距離か。

 

 帰路、ほぼ平行する中央自動車道を走る。大月インターから境川のパーキングまではおよそ40分。同乗者の声が車内に響く。「夢の超特急か」―。    (佐々木崇雅)

  

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