リニア将来構想検討会議の初会合開く

南信州経済

[ 2010年 5月 27日 木曜日 11時20分 ]

 南信州広域連合は25日、リニア中央新幹線飯田駅設置を見据えて地域の将来像を検討する「リニア将来構想検討会議」(座長・宮島八束飯田商工会議所会頭)の初会合を飯田市役所りんご庁舎で開いた。同検討会議は地域の団体代表ら15人で構成。17日に発足した「有識者会議」からのメッセージを受ける形で環境、産業、暮らし、教育の4つのテーマ別に6月から検討を始める「ワーキンググループ」と連携協働し、11月をめどにビジョンの策定・取りまとめを行う。有識者会議と同様3回程度の開催を予定している。

 初会合の冒頭、伊藤喜平副連合長(下條村長)は「飯田下伊那は社会資本整備にハンディを背負っている。リニアがいよいよ実用化する。リニアが来たらどうするか。千載一遇の機会をとらえ、グランドデザインを描いていきたい」とあいさつ。自己紹介に続いて、座長に選出された宮島会頭は「飯田下伊那は広域連合を中心に意思疎通がとれた地域。飯伊だけでなく伊那谷、長野県の発展につながる会議にしていきたい」と述べた。

 協議では、ビジョン構想策定の趣旨や今後の進め方などを確認。第1回有識者会議で出た意見の報告を受け、意見交換した。この中で、南部ブロック代表は「祭りの衰退イコール地域の衰退。地域を盛り上げるには祭りを支える必要がある。リニアによって田舎が身近で新鮮でエコを生み出すところと見直されるよう自信をもってアピールできる環境づくりをしていきたい」、飯田市中心市街地の代表も「伝統文化の魅力や付加価値をPRし後継者をつくらないと途絶えてしまう」と懸念を述べた。

 北部ブロックの代表は「良い地域、望ましい地域とは何か。人によって考え方は多様だが、リニア飯田駅ができて乗り降りする人があまりいないのと大勢いるのとでは多い方がいい」と指摘。農業団体の代表は「リニアが来ることによって不動産業者がどんどん入ってくると農業がダメージを受ける危険があるが、最近の地価や有識者の話を聞くとそういう状況にはならない。リニアによって30分で東京の文化・芸術・学問と接触できることはメリットだが、きれいな空気ときれいな水を失うことはまずい」と述べた。

 有識者会議の委員でもある大学教授は「リニアは新幹線に比べとにかく速い。在来線と新幹線と同じぐらいのすごさがインパクトとしてある。こんなわくわくするようなプロジェクトはない。飯田下伊那は素晴らしい選択肢がある。どういうまちを考えていくか。変えるべきものと守るべきものがある。国際会議の可能性も出てくる。文化をアピールする手段としてリニアを使う選択肢もある」

 下伊那商工連の代表は「各地域に残したいものがある。各町村に呼び掛けて出してもらい、広域連携をとることによって魅力あるものになる」、西部ブロックの代表は「南信州地域の役割として水、道路、環境は大事。もう1つの視点は、人間らしく生きること。カネを必要としない豊かさがある。子どもを教育できる場所」、JAの代表は「地域が残したいものが求められているものとイコールかどうか何とも言えない。求められているものは何かを考えていかないと通過点になりかねない」

 有識者会議の委員も務める大学の女性教授は「リニアを外の人がどう利用するか難しいところ。何か問題があった時に押し止められるものが地域に求められている。自分たちが気づいていないものも価値ある可能性がある。第三者も含めて宝を再発見していく機会になる。伝統文化の継承は、リニアができるできないにかかわらず最後のチャンス」と述べた。

 宮島座長は「我々が首都圏へ短時間で行けるかでなく、首都圏の皆さんが短時間でいかに来ていただけるかを重視していきたい。三遠南信自動車道による物の輸送とリニアによる人の輸送の両面を期待している。こんなにわくわくする、希望の持てる地域はない。英知を出し合って、飯田に生まれて良かったと思われる地域づくりにがんばりたい」と結んだ。

  

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