リニア将来構想検討会議の第3ワーキンググループ初会合

南信州経済

[ 2010年 6月 11日 金曜日 14時35分 ]

 リニア中央新幹線飯田駅設置を見据えて地域の将来像を検討するため南信州広域連合が設置した「リニア将来構想検討会議」の第3ワーキンググループの初会合は9日、飯田市りんご庁舎で開いた。地域や関係団体の代表、市町村職員など16人の委員が「働く」をテーマに検討に入った。座長をみなみ信州農業協同組合の矢澤輝海組合長、コーディネーターを有識者会議と検討会議の委員も務める三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の加藤義人研究開発第1部長が務める。

 意見交換の中で、南部ブロック代表の勝又仁志さんは「他の追随を許さないすばらしい地域を形成する千載一遇のチャンス。合併特例法はなくなったが、飯田下伊那は1市でいいのでは。教育、医療もパイが大きくなると考え方も変わる。考え方を変えないと進んでいかない。若者を引き止めるためには魅力的な企業が大事。飯田市が考えることを町や村も考えるより非常に有効」と発言。

 南信州アルプスフォーラムの木下裕介さんは「世界が近くなると今までの生産という働く価値観だけではこの地域は光り輝くことが難しい。高齢化が進むなかで、60歳以上のシルバー層も含め、どんな世代でも働ける環境をつくっていく必要がある」。飯田電子工業会の小池一義会長は「せっかく飯田を通るリニアをうまく利用するにはどうしたらいいか。明確な答えは出ないが、人口はこのままだと衰退する。働く年代層だけのことを考えて構想を練ったらいいのか。高齢社会の中で老人介護も踏まえた施設をつくり、余生は飯田でと全国にアピールしてはどうか」と提案した。

 飯伊農業委員会協議会の関島友弘会長は「農業者の中にはリニアが来たら農地転用できるよう用意をした方がいいという意見もある。カエルの鳴き声が聞こえる環境とリニアによる開発とのすみ分けをきちんとしないと、結果だけ求めても大魚を逃す。環境は広域的に考えないと確保できない。リニアで交流が増えれば農産物のブランド化が期待できるが、現状は営農意欲のある若者が減ってきている」と指摘。

 飯田市工業課の竹前雅夫課長は「中国への工場シフトによる構造変化にどう対応するか。新分野や新製品の開発に注力することが共通認識となっている。産業構造の多様性が当地域の特色だが、基幹産業である製造業の生産額を上げていく必要がある。高校生の50%は地元就職を希望しているが、実際に残れるのは40%とかい離がある。就業機会を確保していく手立てと都会志向の価値観を変える必要がある」

 飯田信用金庫経営相談所の林郁夫所長は「金融機関にとってもリニアのインパクトは大きな黒船来襲になるのは間違いない。メガバンクが進出する中で、どうやって生き伸びていくかが課題」と指摘。「働く人と働く場を分けて考えるべき。新たな産業が必要であり、既存の産業がどうかかわる中で創っていくか。働きがいのある職場でないと人は来ない。地域に根ざした新しいビジネスモデルや産業であってほしい」と述べた。

 飯田商工会議所の宮島八束会長は「研究開発の頭脳集団をぜひ誘致したい。大企業の誘致もあっていいが、既存企業のレベルアップがどうしても必要。リニアが来ると喜んでいるうちに衰退してしまう企業もあると予想される」と懸念。飯田精密機械工業会の矢崎隆司会長も「頭脳的な開発部、心臓部を誘致して付加価値のついた仕事が必要」と述べた。

 北部ブロック代表で松川町の若手農業者団体「若武者」の副会長を務める宮下智博さん(30)は「ただ物を作って売るだけでなく、体験や環境を売るグリーンツーリズムの流れをつくっていきたい」と期待。「17年後にメーンになる世代をむりやり引っ張り出してほしい。大都市とつながると若い人にとっては刺激と厳しさを感じる。世代の上の人には田舎の良さを知ってもらえれば」と要望した。

 次回は、7月5日午後2時から飯田市役所3階会議室で開く。一般に公開する。

  

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